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「……聞かせて、欲しいんだ。月で消息を絶ったお前が、どうやって助かったのか。どんな経験をして……どんな想いを、抱いたのか」
「……」
卓上に置かれたパスケースに手を伸ばすことなく、そこに収められた写真を見ながら。
わたしは記憶を辿り、ゆっくりと口を開いた。(続)
『リィナ、私だ。入っても、良いか?』
「兄さん?どうぞ。……えっと。何か、ご用?それに、その書類は……?」
「あぁ、こちらはまだいい。……落とし物を、届けに来た」
「おとしもの?……ッ?!」
数枚の紙と並べて机の上に置かれたパスケースを見て、息を吞む。(続)
#30MM幕間戦2エンディング
「お話し中、失礼いたします」
「ラシェルまで……どうした?」
「ベレッタ殿から、預かりものを……蒼鎗のシートの下に、落ちていたと」
「弐式の?これは、パスケース、か?……!」
何気なく裏返し、そこに収められたものを見た。(続)
「坊ちゃま、少し、よろしいでしょうか」
「爺?何だ?」「実は……」
「――食事を、摂っていない?」
「いえ、全く召し上がらないわけではないのですが、すぐに下げてしまわれまして……」
「……」
「坊ちゃま、お嬢様は――」
(続)
「……」
割り当てられた部屋を出て、リィナの部屋を目指す。
だが、その足取りは重い。
答えは見えた。だが、だからこそ"その先"に躊躇を覚えてしまう。
「こんなにも臆病者だったのか、私は……」
足を止め、溜息を漏らす。
(続)
#30MM幕間戦2 #30MM幕間戦2エンディング
@VpBdosd7uCLo8Oq 涙を拭って、スプーンにひと掬い。
自分は、色々変わってしまったけれど、
「――懐かしい味」
食べた知育菓子は、変わらず美味しかった――
@VpBdosd7uCLo8Oq 「あは、あはは……」
さっきまでの余裕はどこへやら。そんな彼の姿がおかしくて。
「ごめんなさい……本当に、ありがとうございます。クウラさん」
@VpBdosd7uCLo8Oq 「――ッ!」
ぶっきらぼうで、飾らない優しさ。小賢しいごまかしも、なけなしの意地を張る音も出来なくて
「あり、がとう……ありがとうございます……ッ!クウラさん――ッ!」
@VpBdosd7uCLo8Oq 「わたしは、辛いですよ?"変わった"ことが……芽生えた想いが、許されないものだから。
諦めたくない、捨てたくないのに……わたしが『わたし』……"変わらない"ユーラリィナ・ルーズランスであるなら」
@VpBdosd7uCLo8Oq 「……そう、なんでしょうか」
ピタリ、と菓子を弄る手を止めて。
「変わらないものなんて、あるんでしょうか?
わたし、あの頃とは色々変わりましたよ?
兄さんとなんて……1年ぶりに会ったら、全然話せなくなっちゃいました」