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俺は震える手でナイフを掴む。
掴んで、キラリと喉元に翳した。
皆本当にすまない。最初からこうしていれば良かったのにな。
「………………さようなら、メイドール」
「…おいお前、まさか俺の実力を疑っているのか?姉様とおまけに2人くらい、俺一人で十分に守れる。」
「ふふ、頼もしいですね。」
うとちゃんとシラスくんの対照的な態度に、少し笑ってしまった。
…はなちゃん、ごめんたい。
うち、約束、守れんかった…………
一粒の涙が頬を伝う。
愛しい人の腕の中で、うちの意識は、
どこか遠い遠い場所へ
小さな女の子に手を引かれて連れていかれた。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
……は?俺、チャリなんですけど。
何だよ、バイクで移動できるお前らならって。
…全く、店長の人使いの荒らさには常日頃から一言抗議したいと思ってた。
パンデミック以前からチャリで買い出しとかさ。絶対バイクの奴に頼んだ方が早いのに。
涙を溜めた目でランリンを見上げたら、
外は満月で。
薄いレースのカーテンを透かして月の光が部屋に差し込んでいて、ランリンは青白く照らされていた。
とっても、綺麗だった。
猛毒のように殺気立った憎悪を胡蝶刀にぶつける。
八つ裂きにしても、粉々にしても足りない。とにかく、息が上がるまで切って切って切りかかった。
「六花!!六花ぁ…!!!
ダメアル!!六花はお前らのじゃないアル!!離れるアル!!
六花は、六花はリンの大事な……」
包丁を握る手の震えがピタリと止まり、
渾身の力を込めて左腕の肘窩に向け振り下ろす。
「ーーーーーーーーーッ!!!」
1度じゃ切り落とせない。何度も、同じ傷口へ刃を宛てがう。
地が裂けて熱い溶岩が流れ出したような、恐ろしい激痛。
その果てに、ようやくぴのの汚れた腕がゴトリと落ちた。