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同性の幼なじみが女になった。奇病らしい。ツラがいいから18年間、散々女を喰ってきた。今度は男に言い寄られてる。「お前はねえけど、胸と脚をガン見され、抱き締められた」。いいな。今度は女の側で楽しめてるんだ。「……悔やんでる」。女の悦び知らなくて? 「俺がこういう苦痛を与えてきたこと」
「これいい?」。新婦が左手を向けた。もちろんだ。お義父さんに釘を刺された。片親の一人娘を奪うんだ、絶対早く逝くなって。「私を産んでママが死に、パパは寂しくしてたんだね」。俺はお義父さんから奪わない。今日はお義母さんとも家族になる日だ。だからいいよ。結婚式、形見の指輪をしたままで。
財布の奥から古い紙片を取り出した。「大好きなパパへ なんでも言うこと聞く券」。20年前、5歳の一人娘が僕の誕生日に贈ってくれた。まだ有効期限は切れてないかな。「シングルファザーは物持ちいいね。いいよ、聞くよ」とドレス姿の娘が笑う。幸せになれ、と僕は告げ、嫁に行くなの本音を飲み込む。
同棲中の彼女が寝てる。僕は眠れずスマホを握った。検索履歴に驚かされる。「彼女 海」「彼女 温泉」「彼女 遊園地」。僕が調べたワードに並び「温泉一択」の文字がある。相談していた女性上司にLINEを送った。入浴中、スマホ覗かれました。やっぱ修復不能です。別れます。今から行っていいですか?
同棲中の彼と距離を感じる。後ろめたいと思いつつ、入浴中にスマホを見た。検索履歴に息を飲む。「どうした?」。湯上りの彼が首を傾げた。毛布を被り、ごめん何でもない、と私は囁く。履歴にはキーワードが並んでた。「彼女 海」「彼女 温泉」「彼女 遊園地」。さっき私は付け足した。「温泉一択」
バレンタインの放課後に、高校の教室で彼が外を眺めてた。私は勇気を奮い席を立つ。「先輩、部会遅れますよ!」。後輩が彼を呼びに来た。よく彼と一緒にいる。一瞬私を見た彼が、手を引かれ出て行った。鈍いなあ。女心に気づかなければ、後輩まで泣かせるよ。握ったチョコを鞄に戻し、私は少し涙ぐむ。
「絶対貰えると思ってたのにな」。バレンタイン翌日に、高校の先輩がぼやいてる。意中の同級生からスルーされたらしい。相変わらず女心がわかってませんね。「いや、俺は絶対惚れられてた」。感度の鈍さに呆れます。仕方ない。1日遅れで私があげます。「うん、残り?」。だから……そういうとこです。
バレンタインに告られた。高校の校舎の窓から彼女が見える。涙ぐみ、チョコを差し出していた。さっき僕が拒んだチョコだ。彼女に寄り添う親友が、涙を拭いかぶりつく。ああ、そうか。親友は同性の彼女が好きなんだ。泣きたい気持ちで僕は思う。片想いはみんな苦しい。秘めた僕の想う相手は彼女の親友。
「受け取れないって」。涙目で高2の彼女が手元のチョコを弄ぶ。バレンタインで片想いの男子に拒まれたらしい。じゃ私が貰ってあげる。ホワイトデーにはお返しするね。「また同性の親友に救われちゃった」。手渡され、私はチョコにかぶりつく。「え、泣くほど苦い?」。うん苦い。恋が届かぬ味がする。
私が病死し、彼は泣いて引きこもる。彼の強い想いが幽霊として私を蘇らせた。以来「同棲」半年。復学した大学で、彼は昨夜、後輩にキスされた。いいよ、戸惑わなくて。私にそれはできないから。自分の影がどんどん薄くなっていく。後輩に惹かれてるんだね。今を生きて、と私は願い、涙を拭い天に還る。