掌編小説（140字）＠単行本『ぼくと初音の夏休み』『ごめん。私、頑張れなかった。』発売さんのイラストまとめ

冬空を見上げた。「シリウスだ」。彼女は高校時代、天文部。よく知っている。なあ、見守るように上に輝く赤い星は？　「オリオン座のベテルギウス。神話のオリオン、力持ちのイケメンなんだ」と微笑まれる。微妙な距離を感じた自分が恥ずかしい。シリウスみたいに輝く君を、オリオンのように僕は守る。

きょう（14日）は共通テスト２日目ですね。ひりつくような自分の受験を思い出しました💦
初日、上手くいったらその調子で、しくじったら引きずらずに、です。大丈夫✨
皆さんに「サクラサク」が訪れますように🌸

※まかろんKさん（https://t.co/tOfmk8WDbA）イラストをお借りして作りました🙏

酔いがさめて青くなる。幼なじみもきまり悪そうだ。またお互い、恋人に本気度を疑われ失恋した。家飲みしながら愚痴りあい、流れでそういうことになる。ともに「最初は絶対愛する人と」と言ってきた。毛布にくるまり彼女が囁く。「……不思議とあまり後悔してない」。奇遇だな。なぜか俺もおんなじだ。

失恋したとぼやきに行ったら、幼なじみも彼女に短期で振られてた。お酒が飲める年齢だ。家飲みし、愚痴りあう。気づくとそういうことになっていた。「初めてがお前とはな」。こっちの台詞よ。彼が「ほかに大事な相手がいそうと言われた」とため息つく。私もだ。誰のことだと毛布にくるまり苦笑しあう。

きょう（13日）から共通テストですね。雨や雪の地域もあるようです。
受験生の皆さん、どうか焦らず力を出し切ってください。すべての受験生と支えるご家族が「サクラサク」の春を迎えられることを願っています🌸

※イトノコさん（https://t.co/jOXqfPyyZI）のイラストをお借りして作りました🙏

18歳の娘が婚約者を連れてきた。通っている短大の先生だ。「ご主人に反対されますよね」と肩を落としている。先生は夫より一つ上の38歳。娘の一目ぼれらしい。義理の息子が年下なのはやりにくいだろうけど、きっと平気。夫も大学最初で結婚した。20歳年上の高校時代の担任を、必死で口説き娘を設けた。

「お義父さん」と呼ばれて顔をしかめる。18歳の娘が婚約者を連れてきた。短大で知り合ったという。俺も早婚だったけど、娘の話となるとまた別だ。「幸せにします」と頭を下げられ、やりにくい。いやあの、とりあえず一杯どうぞ。ビールグラスを握る相手は短大の先生だ。20歳差の38歳。俺よりも一つ上。

「トイレも行かず汗すらかかなそうだ」。幼なじみが高校の美少女の話をしてる。ドン引きだ。これだけ私と一緒にいるのに女子に幻想持っている。いや待てよ。私が女と見られてないのか。「どこ行くの？　便所？」。だから女子はトイレに行かないんでしょ。バッグに制汗剤を忍ばせて、彼の隣の席を立つ。

「女子に幻想持ちすぎだ」。幼なじみに笑われる。高校の美少女の話になり、トイレも行かず汗すらかかなそうだ、と僕は言った。「んなわけないって、17年も私と一緒でわからない？」。うるせえな。印象だって。「それじゃ誰とも結婚生活できないよ」。心配無用。伝えてないけど、その相手は決めている。

「綺麗だけど難解でした」。メイクの言葉に驚いた。単館系で上映された俺の監督作を見たという。学生時代、短編で賞を取り、商業用にリメイクした。興収は散々で、それでも俺は監督業にしがみつく。主演女優が緊張してる。元アイドルで、最初らしい。大丈夫。俺と同じく麻痺して裸の現場もすぐ慣れる。