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「やっぱり似合うね、セーラー服」。メイクの女性に褒められる。深夜のテレビで歌う私のことを覚えてた。制服姿のアイドルグループ。現役のJKで、右端が定位置だった。結局売れず解散し、それでも私はスポットライトにしがみつく。監督が呼びに来た。頑張ろう。20歳の私は第二のデビューで裸体を晒す。
友人とお互い子連れでランチする。夫に不倫を疑われた、と私がぼやくと「お子さん、あなた似だよね」と苦笑される。私と彼女、それぞれののちの夫は大学の同窓生だ。彼女の息子は旦那に似てる。私は胸をなで下ろす。良かったよ、うちは女児で。彼女は全く気づいてない。娘の父は私が寝取った旦那だと。
「旦那に不倫を疑われ、嫌になる」。友人とお互い子連れでランチした。大学時代、私と彼女、互いののちの夫は4人組の仲良しだった。「あなたの息子は夫にそっくり。娘は私に似ただけなのに」とぼやく。そっちの真偽は知らないけれど、私は相手を厳選した。この子の父親、不倫した双子の夫の兄なんだ。
20歳から交際7年、同棲中の彼女がいる。罵倒しても出ていかないのは俺に依存してるからだ。思わぬ事故で入院し、半月後、帰宅すると彼女はいない。どこだよ。お前、俺がいなきゃ生きてけないだろ!? 捜し回るが見つからず、絶望しながら気がついた。長い夢を見ていたらしい。依存してたの俺も同じだ。
長い夢を見ていたようだ。20歳から7年間、彼といた。少し前から同棲してる。絶対に離れられないと思ってた。彼が事故で入院しなければ、私はまだあの部屋にいたはずだ。大丈夫、と涙を拭う。荷物を抱えて歩き出す。殴られ続けた全身の痣をさすり、心に決めた。悪夢から抜け出して、私は私の夢を探す。
元夫と新春に再会する。高校の同窓会。5年前に結婚し、2年で別れた。「あの時ごめん」と詫びられる。いいよ。離婚は私が切り出した。そもそも強引に求婚したのが悪かった。実は去年再婚したの。あなたも幸せ掴んでね。店の戸が開き、帰郷した同級生が顔を出す。結婚してなお、彼が心に留めてた子だ。
帰郷した正月の同窓会。高校時代の恋人未満の彼がいた。同級生の彼女もだ。5年前、2人は結婚したと噂で聞いた。「久々ね。いい人できた?」と彼の隣で彼女が笑う。仲良し夫婦に関係ないでしょ、と私は作り笑顔で返事した。「仲良しだけど夫婦じゃないよ。3年前に離婚して、再婚を元夫に祝われてる」
成人式で挨拶する。8歳下の振り袖姿の数人と視線があった。若い市長と注目され、就任後は入れ食いだ。俺は政治家以外の夢も叶えた。皆さんも夢を叶えて下さいね――。美辞麗句を並べたて、裏口から外に出る。「その夢は悪夢でしょうね」。ストロボが何度も瞬いた。見知らぬ男が週刊誌の名刺を差し出す。
成人式で挨拶する。8歳下の振り袖姿の数人と視線があった。若い市長と注目され、就任後は入れ食いだ。俺は政治家以外の夢も叶えた。皆さんも夢を叶えて下さいね――。美辞麗句を並べたて、裏口から外に出る。「その夢は悪夢でしょうね」。ストロボが何度も瞬いた。見知らぬ男が週刊誌の名刺を出し出す。
成人式で新市長が挨拶してる。「皆さんも夢を叶えて下さい」。そうだよね、と振り袖姿の私は思う。今の彼とは19歳からつきあい始めた。デート場所はほとんど私のアパートだ。口説かれたのに、今や私が夢中になっている。大学を出たら結婚したい。夢を叶えて下さいね。お願い、愛する8歳上の市長さん。