「手を、上げて」
機械を思わせる冷たい声と共に、鈴羽は銃を構えた。深い闇を映し出す銃口と鈴羽の双眸が俺をじっと見つめている。
「おじさん、即刻そのケーキを渡すんだ」
「待てあと一口…」
「早く!」
三つの瞳が揺れた。

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