カンナ色の車で
飛ばしてきた
大好きな海は
昔と変わらない
波のひかり
午後3時

温かいオレンジティー
あなたの真似をして
作ったわ
冷たい風に
香りを乗せる
天国に届くかしら

手のひらには
一枚の写真
声を聞きたい
紅茶が冷めても
あなたは
まだ微笑んで
最後の夏休みにいる
絵・甲斐千鶴

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最後の夏休みに、2人で海に行ったことを君は覚えていますか。あの時気持ちを伝えていれば何か違ったのかも知れないと、今日は特に強く思います。あの日見たあなたの笑顔、日差しの暑さ、水の煌めき、海水の味、肌に張り付く制服の感触まで、すべてを鮮明に覚えています。

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はまなすの花が強い海風に耐えるように
僕はその笑顔に耐えた
喉の乾きが激しくて声は掠れていた

君はどうして

僕の中にはこんなにも暗闇がある
柔らかな白さを奪いたいとさえ
砂浜の肌触りは熱く擽るようだ

 絵·甲斐千鶴

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膝ひたす波の名残や夏休み

絵・甲斐千鶴

1 12

フラスコに入れていたfreshを外に出したら若い娘さんになってはじけだした。

「驚いたなあ」
「驚くのはこっちのほうよ。freshを閉じ込めてどうするつもりだったの?」

その年のfreshは、その夏の内にはじけさせるのが正しいfreshの使い方だそうだ。

 絵・甲斐千鶴

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こっちよ こっち
波と誘う君
膝小僧が見える
僕は見たくなんかないよ
遠くからだけでいいのに

このまま海に入らないと
終わってしまうのよ
最後の夏休みなのに

僕は勇気を出して手を伸ばした
だけど海には入れなかった
ポスターの中の君は
こっちを見て笑っていた

 絵・甲斐千鶴

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【8/10まで】楽詩ツイート企画

「最後の夏休み」というタイトルで、こちらのイラストにあわせて文芸創作し、タグ をつけてツイートしてください。表現形式や長さは自由、何作品ツイートいただいても構いません。イラスト添付の際は「絵・甲斐千鶴」と入れてください。

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パチスロ麻雀物語の神楽詩音ゴリ押しイラスト描きました

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君のハーバリウム

チャック先生は人気者
いつも白衣で理科室にいて
標本棚の整理に余念がない
実はお手製のハーバリウムに
凝っているらしく
ハーブばかりか
昆虫や野菜も並べてた💦
スズメバチと
朝鮮人参の封入液は日毎に減る
キュウリは多分ピクルスだが
お口にチャックだってよ!

絵:mg3

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日曜日に岐阜ってきた。目当ては「モネの池」と呼ばれるようになった綺麗な池を見に行くこと。楽詩編集長のとよよんさんに案内してもらう。たぶんこんな感じだろうな、と思っていた通りの池のサイズ。もとはこれという名のある池ではなく、地元の人たちが水連を植えて綺麗な池にしていたところ、

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フリペはお利口…ではなく「折り子」の雨虎さんが、朝から文フリ京都の「こ」列のあいだの隅っこで、いっぱい折ってくれました!二つ折りと三つ折り!のぞき込む店長

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楽詩12(2018 Winter)

【イラスト】
甲斐千鶴(表紙)
mg3

【詩歌・エッセイ】
《ゲスト》
雨虎俊寛(短歌)
故意の海女に(ショートストーリー)
紅育(自由詩)#楽詩

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【今日の文楽詩篇】
inner fighter
【声の募集中】
目覚まし時計のゴングが鳴ったら
現実コーナー、チャンピョンサイド
野郎を睨んで理想の拳で
挑戦していく大バカ野郎。

続きはリンクから。文芸で戦う人へ!見て、聴いてね。

https://t.co/jEfSzs4wK5

    

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①冬日②ねいろ

ねえ 絹吐く虫に捩られた
日本音階の物悲しさに
したたかに酔っているの
糸はしが空気の湿りに屹立して
君の揺れ動く鼓動を確かに
読み込んだから
楼蘭を出で砂漠を渡り
今はない都市の名を
柔らかな光の中に弾き返す

絵:甲斐千鶴 

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絵:甲斐千鶴
②折句「ねいろ」
寝ては覚め夢と現とあくがれて君なき朝に現と知れる
今はただ藤の傍生ゆ双葉には深山の雪よ降るなと願う
炉も星も光る君には遠く在りふみこぬ道に琵琶のみを抱く

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朗朗と季節は詠えても、この想いはどうにも声になりません。池に降る淡雪のように吐息の中に沈んでしまうのです。かじかむ指を言い訳にしてまだ弾かずにいますから、どうかその言葉を、あなたから聞かせてはくれませんか。

絵:甲斐千鶴 (2/2)

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旅立ちの日に
あの人が残していった琵琶
この手でギュッと
抱きしめてみる

ほのかに感じる暖かさは
木のぬくもりでしょうか
陽のぬくもりでしょうか
あの人のぬくもりでしょうか

いつか戻ったその時に
無機質な音色が響かぬ様
この愛で暖め続けましょう

①冬日

絵:甲斐千鶴 

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「冬日」

貴方を想い、数多の夜を越え
貴方を想い、数多のため息をつき
貴方を想い、枕を濡らし
貴方を想い、貴方に聞かせた琵琶を抱く

私の想いを飲みこんだ琵琶に
今朝も白い息と光があたり
貴方に向けて奏でる音曲

絵:甲斐千鶴 

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寝覚めれば
今は水底 四つの緒の
﨟たく薫る紫のしらべ

②折句「ねいろ」
絵:甲斐千鶴

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なにもわからなくても
自分の感性で言葉をくれる
あなたの

最後の言葉を
リフレインしているうちに
冬のひかりに
溶け込んでいく

絵:甲斐千鶴
①冬日

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