【今日の文楽詩篇】
inner fighter
【声の募集中】
目覚まし時計のゴングが鳴ったら
現実コーナー、チャンピョンサイド
野郎を睨んで理想の拳で
挑戦していく大バカ野郎。

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①冬日②ねいろ

ねえ 絹吐く虫に捩られた
日本音階の物悲しさに
したたかに酔っているの
糸はしが空気の湿りに屹立して
君の揺れ動く鼓動を確かに
読み込んだから
楼蘭を出で砂漠を渡り
今はない都市の名を
柔らかな光の中に弾き返す

絵:甲斐千鶴 

4 36

絵:甲斐千鶴
②折句「ねいろ」
寝ては覚め夢と現とあくがれて君なき朝に現と知れる
今はただ藤の傍生ゆ双葉には深山の雪よ降るなと願う
炉も星も光る君には遠く在りふみこぬ道に琵琶のみを抱く

2 13

朗朗と季節は詠えても、この想いはどうにも声になりません。池に降る淡雪のように吐息の中に沈んでしまうのです。かじかむ指を言い訳にしてまだ弾かずにいますから、どうかその言葉を、あなたから聞かせてはくれませんか。

絵:甲斐千鶴 (2/2)

3 20

旅立ちの日に
あの人が残していった琵琶
この手でギュッと
抱きしめてみる

ほのかに感じる暖かさは
木のぬくもりでしょうか
陽のぬくもりでしょうか
あの人のぬくもりでしょうか

いつか戻ったその時に
無機質な音色が響かぬ様
この愛で暖め続けましょう

①冬日

絵:甲斐千鶴 

2 9

「冬日」

貴方を想い、数多の夜を越え
貴方を想い、数多のため息をつき
貴方を想い、枕を濡らし
貴方を想い、貴方に聞かせた琵琶を抱く

私の想いを飲みこんだ琵琶に
今朝も白い息と光があたり
貴方に向けて奏でる音曲

絵:甲斐千鶴 

2 8

寝覚めれば
今は水底 四つの緒の
﨟たく薫る紫のしらべ

②折句「ねいろ」
絵:甲斐千鶴

3 6

なにもわからなくても
自分の感性で言葉をくれる
あなたの

最後の言葉を
リフレインしているうちに
冬のひかりに
溶け込んでいく

絵:甲斐千鶴
①冬日

1 13

御簾から差し込む弓張月へと
ひとつ 調べを載せていきます

遠く 遠い かの場所へ
私の指で掻き鳴らす

祈りは
今宵 届かずとも

光は
今宵 消え失せようとも

星を繋いで
この音は響く

たとえ
この世は明けぬとも

遠く 遠い 貴方の許へ

【書き直し再掲】①「冬日」
絵:甲斐千鶴

1 10

凛とした冷気
のゆへに響く弦
寒さに耐えて
奏でるねいろ
絵:甲斐千鶴

3 11

ね 寝ずの跡   と
い 今は思慕せど ど
ろ 楼に咲け   け

②折々句「ねいろ」
絵:甲斐千鶴

3 7

目を瞑り
イメージを繰り返す
私は私を取り戻していく

誰も知らない
誰にも聞こえない
私だけの調べ

邪念を払い続けながら
イメージを繰り返す

誰にもわからなくても
あなたには
見えるだろうか
聞こえるだろうか

見つけて欲しくて
今日も陽の下で
イメージを繰り返す

絵:甲斐千鶴 

6 42

②折句「ねいろ」

ねむろうとするあなたに
いいおはなしを
ろうどくをきかせよう

絵:甲斐千鶴 

1 6

①「冬日」

音を奏でながら
貴方へ言の葉を紡ぐ
いつまでも
こうしていたい

冬の日は寒いけれども
貴方の言の葉は温かくて

そして
誰の肩にも平等に差し込む冬日
私の肩にも差し込む冬日

絵:甲斐千鶴 

1 9

猫ならば会いにゆくのは容易い
塀を伝って、屋根から屋根へと
あなたに会いにゆける

想いを奏でるのは容易い
弦を弾く指は迷わずに
心を伝って、次から次へと
あなたを追いかけてゆける

けれどもわたくしは
あなたを前にして
猫のように
琵琶のように
きっと素直には なれない

絵:甲斐千鶴

8 42

ねや浸す
色水のごと冬日に髪はひかりて
六欲のなか

絵:甲斐千鶴
①冬日 ②折句「ねいろ」

3 16

冬に枯れ葉が散るように

貴方の愛も舞い落ちてしまったのでしょうか

切なさを奏でましょう
この悲しみが届くように

祈りを奏でましょう
私の想いが届くように

再び暖かな日差しのもとで
二人で愛を奏でられたら

①冬日

絵:甲斐千鶴

2 7

ねえ逢いたい…でも逢えない…
愛し君への想いが揺れる
蝋燭の陽炎のように

②折句 ねいろ

絵:甲斐千鶴

1 5

或る冬日
和らぐ陽射しに
這ふ這ふと
貴殿にとどむり
弾き給へるに

寧音と呼ばれるあの日から
幾とせひそめ過ごしたか
ロマンをのぞめば人あらず

琵琶の化身と
なるべきことにて

絵:甲斐千鶴

3 14

  絵 甲斐千鶴
あなたと出逢った
あの日の日記に
わたくしは一文字も
記していない

ただ一度の
名前のない冬の日
恋は咲いて
まばたきの間に散った

想いに涙あふれ
白い息の花をおさえた
あの時の袖は
雪色の絹
涙は氷の結晶
指は想い綴る筆を忘れ
冷えた心の絃を弾く

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