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①「冬日」
音を奏でながら
貴方へ言の葉を紡ぐ
いつまでも
こうしていたい
冬の日は寒いけれども
貴方の言の葉は温かくて
そして
誰の肩にも平等に差し込む冬日
私の肩にも差し込む冬日
絵:甲斐千鶴 #楽詩
冬に枯れ葉が散るように
貴方の愛も舞い落ちてしまったのでしょうか
切なさを奏でましょう
この悲しみが届くように
祈りを奏でましょう
私の想いが届くように
再び暖かな日差しのもとで
二人で愛を奏でられたら
①冬日
絵:甲斐千鶴 #楽詩
或る冬日
和らぐ陽射しに
這ふ這ふと
貴殿にとどむり
弾き給へるに
寧音と呼ばれるあの日から
幾とせひそめ過ごしたか
ロマンをのぞめば人あらず
琵琶の化身と
なるべきことにて
絵:甲斐千鶴 #楽詩
#楽詩 絵 甲斐千鶴
あなたと出逢った
あの日の日記に
わたくしは一文字も
記していない
ただ一度の
名前のない冬の日
恋は咲いて
まばたきの間に散った
想いに涙あふれ
白い息の花をおさえた
あの時の袖は
雪色の絹
涙は氷の結晶
指は想い綴る筆を忘れ
冷えた心の絃を弾く
絃をやさしくはじく度
大切な想い出を
雪の下に隠していく
ひとつ、また、ひとつ。
いつか
春になって
雪が溶けたら
美しい思い出として
愛せるように
今はまだ
琵琶の調べを子守唄に
白の深くに眠らせておく
絵:甲斐千鶴 #楽詩
御簾から差し込む弓張月へと
調べをひとつ 載せていきます
遠く離れた彼の場所へ
私の指で掻き鳴らす
祈りは
今宵も届かずとも
光は
今宵 消え失せようとも
遠く遠い 彼の場所へ
凍え冴えた夜に夜毎に放つ
私のこの音は消えはしない
「冬日」
絵:甲斐千鶴 #楽詩
#楽詩 絵 甲斐千鶴
冬の日の凍えが
それ迄の季節を
白く変えるほど
この想いは
月より透けて尚うつくしく
足蹴にされると
薄氷よりも儚く
わたくしは強くない
ふみに込めた想いを
水に流されるくらいなら
琵琶の音に綴り
とける雪のように
誰の目にも触れない
うたにいたします