# tanka

限りなく豆腐に近い脳みそに醤油をかけたような憂鬱 /岡野大嗣

123 440

きみという葡萄畑の夕暮れにたった一人の農夫でいたい /岡野大嗣

25 158

ねむるように死にたい布団職人がその目的で仕立てる布団 /岡野大嗣

181 724

叫んだら僕から何が出るのかを確かめに行くひとりカラオケ /岡野大嗣

70 445

ゆぶね、って名前の柴を飼っていたお風呂屋さんとゆぶねさよなら /岡野大嗣

60 376

Nujabesで耳をふさげば掃きだめの夜もワンオクターブ明るむ /岡野大嗣

17 92

えっ、七時なのにこんなに明るいの? うん、と七時が答えれば夏 /岡野大嗣

89 274

においから先に世界に立ちこめてそれから雨が降るときは夜 /岡野大嗣

19 127

運転に支障は無くて何年も放置している心の異音 /岡野大嗣

52 201

吹かれれば二度と元には戻らずに済むとんこつの粉になりたい /岡野大嗣

26 208

祝日の午後の宙ぶらりんに来て無駄に綺麗に切る足の爪 /岡野大嗣

33 96

僕だけの秘密にしてる神様の誤植が僕のなかにあること /岡野大嗣

26 205

校区から信号ひとつはなれればいつも飴色だった夕焼け /岡野大嗣

49 254

さよならは少しずつした方がいい脱水症に気をつけながら /岡野大嗣

78 406

ベージュ色のジャケットを着た老人のジャケットにかなり付いてるさくら /岡野大嗣

24 174

象印マホービンから美しい世界の果ての波のさざめき /岡野大嗣

35 281

祝日の午後の宙ぶらりんに来て無駄に綺麗に切る足の爪 /岡野大嗣

19 110

みずうみを喉を鳴らしてのみました塩らーめんのおいしい店で /岡野大嗣

21 209

それでもひざに鞄をのせるきみといて観る平日の単館シネマ /岡野大嗣

56 371

Nujabesで耳をふさげば掃きだめの夜もワンオクターブ明るむ /岡野大嗣

44 213