# tanka

あんな上から落ちてきてなにもこんな僕をえらんで墓地とする雪 /岡野大嗣

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祝日の午後の宙ぶらりんに来て無駄に綺麗に切る足の爪 /岡野大嗣

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友達の遺品のメガネに付いていた指紋を癖で拭いてしまった /岡野大嗣

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会いたいなあ 高架の下の自販機で買ったココアがまだあったかい /岡野大嗣

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袖口を嗅ぐだけでねむたくなれる部屋着で過ごすうつくしい日々 /岡野大嗣

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僕ひとり乗せた車で僕はいま僕の命を預かっている /岡野大嗣

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Silent Nightに『サイレンと犀』を。あなたの、あなたの大切な誰かの、ささやかなギフトになればうれしいです。どうぞよろしくお願いします。https://t.co/GMUvXD38xJ

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会いたいなあ 高架の下の自販機で買ったココアがまだあったかい /岡野大嗣

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ゆぶね、って名前の柴を飼っていたお風呂屋さんとゆぶねさよなら /岡野大嗣

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祝日の午後の宙ぶらりんに来て無駄に綺麗に切る足の爪 /岡野大嗣

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そうだとは知らずに乗った地下鉄が外へ出てゆく瞬間がすき /岡野大嗣

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僕だけの秘密にしてる神様の誤植が僕のなかにあること /岡野大嗣

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ならべるとひどいことばにみえてくる頑張れ笑え負けるな生きろ /岡野大嗣

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物心ついた頃には僕はもう僕だったそんなの聞いてなかった /岡野大嗣

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うつくしい音を紡いでいる人が消えてゆくのは社会の摂理 /岡野大嗣

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【絵短歌】まただ のり弁掻き込んでいるときに後頭部から撃たれる夢だ/岡野大嗣(『サイレンと犀』)

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降りぎわに「じゃあ」と握った手のかたち合えば二人の「またね」は祈り /岡野大嗣

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曇天は蓋を取っても曇天で自分の声は死ぬまで苦手 /岡野大嗣

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においから先に世界に立ちこめてそれから雨が降るときは夜 /岡野大嗣

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えっ、七時なのにこんなに明るいの? うん、と七時が答えれば夏 /岡野大嗣

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