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「では今日はこれで、お疲れさまでした。」
「お疲れー…ふう、クロエも付き合い悪いなあ。たまにはお酌くらいしてくれてもいいのに。」
『どうぞ』
「ありがとー…ってうわ!…君だれ?どこから来たの!?」
「…ここ…」
「へ?これダーのボトルじゃん…Νύμφηか何か???」
「にゅんぺー???」
微笑む彼女が男の子たちの話を聞いている。大学のゼミの忘年会。せわしなく、私は男子にお酌して、鍋を小鉢に取り分ける。「気が利くな」と褒められて、愛想笑いを振りまいた。本当は宴席が大の苦手だ。あの子みたいにゆっくり誰かと話したい。忙しく世話を焼くふりをしながら、コミュ障の自分を嘆く。
大学のゼミの忘年会。彼女が鍋を取り分けお酌している。あざといけれど、異性はみんなあの子のことを好きになる。私はまるで気が回らず、男子の話に相槌を打つだけだ。女子トイレで彼女と出くわす。「あなたが本当に羨ましい」。え、何で? 「会話が苦手なコミュ障だから、私、忙しいふりしてるんだ」
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