「でたょでたよぉ〜」今野円は口井章にカードを差し出した。「またそのきもいカードかよ」「あきちゃん刻一刻と流行は変わっていくんだょ」妖精バトルカードも一部にしか受けていないが。「どうでも良いけど前のカードよりきもいな」

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「このだぶったカードあきちゃんにあげるねぇ」今野円は口井章にカードを一枚渡した。「いらない」「そんなあきちゃんに耳寄り情報ぅ〜。今度は降霊術バトルカードを製作中って言ってたょ」全く聞いてない。「絶対にいらないからな」

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「良いタイミングだし、お花見に行こうよ」牧田スガは力強く言った。「そろそろ満開だしねぇ。でもぉ天気が心配だょ」今野円がそう言うと口井章が首を横に振った。「雨が降ったら屋内でお弁当でも良いよ」花見も穴見も関係ないのだ。

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「あきちゃん、これぇ」と言って今野円は口井章に卵を渡した。「何だこれ?」「イースターエッグだょ。あきちゃん知らないのぉ?」渡された卵を見ると真っ赤に色付けされ、目玉が一つ描かれていた。まどかきもいよと口井章は呟いた。

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「えぇ〜ここは大爆笑なシーンだよぉ」今野円の必死の訴えは口井章にも塚崎みやにも響かない。「スガリンはわかるよねぇ」うーんと考えて、牧田スガは鞄からマイフォークを取り出した。「フォークを持ってフォークロアとかどうかな」

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「まったく、また余計な事に首つっこんで」口井章はため息をついた。「まどかちゃんの話は起源にこだわりすぎで少し気味が悪いものだったけど、お菓子が食べられれば良いけどねー」牧田スガは手に持ったチョコ菓子を口に放り込んだ。

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「あとぉ、台風一過って家の方だと思ってたこともぉ」「ああ、汚職事件をお食事する券と思ったりな」昨日の台風凄かったねと言う話から今野円と口井章がこんな他愛の無い話をしていると牧田スガは真剣に驚いた。「え! 違うの!?」

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「ニョキニョキしたらぁ、ナポリタンが出てくるかもしれないよぉ」今野円は重厚な本を頭上に掲げた。牧田スガの頭の中は食欲で一杯だ。「最後まで読んだ方が良いぞ」口井章はスガに促した。「うわーパガーレ!」「そうロハじゃない」

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「そんな振付はどこにも書いてないぞ」変な振付でニョキニョキ言っている今野円に口井章は突っ込んだ。「あきちゃんとスガリンでこれやろうよぉ」 「えっ! メンバーに入ってるの?」傍観していた牧田スガの喉に中華まんが閊えた。

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「スガリンのそのテーマだとぉ、書く方も読む方もゲップが出そうだねぇ」今野円は興奮して拳をブンブンした。「そんなことないよー」牧田スガはどこから取り出したのかアイスを口に運んだ。「読む方だけだな」口井章は一人納得した。

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「食べられそうとか美味しそうとかじゃなく、食べられた実績や正体が食べられそうな話を集めてるんだよ」牧田スガが今野円に熱弁をふるう横で、口井章は笑を堪えるのに苦心していた。子泣き婆=美味しそう発言がツボに入ったからだ。

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「食べられる妖怪ってぇ」牧田スガの突飛な発想に今野円は目をぱちくりさせた。「定例会の発表題材を『食べ物と妖怪』にしたんだよー。やだなー」子泣き婆と言った時にスガが小さく美味しそうと言ったのを口井章は聞き逃さなかった。

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「朝からイモホリボンなんか飲んで! 絶対日野に怒られるよ」今野円が缶を両手に持って飲んでいるので口井章が注意した。「スガリンもいつも何か食べてるよぉ」「この娘は特別」牧田スガの手にあったスフレが一瞬でなくなっていた。

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「おみそ汁にこだわる必要はないと思う」今まで黙っていた牧田スガが口を開いた。「えぇ〜みそ汁って言われたよぉ」「大丈夫だよ〜血で赤出汁だよ」「スガリン、あんた可愛い顔してとんでもないこと言うな」口井章は横で眉を顰めた。

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「あきちゃんはぁ?」「まぁ買い物くらいかな。どこも混んでるしな」「えぇー折角だからおでかけしようよぉ。はっちゃんとスガリンと一緒にぃ」なんて今野円と口井章のやり取りを聞きながら牧田スガは思った。メンバーに入っている!

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クシュと牧田スガはくしゃみをして鼻をぐずつかせた。「スガリン花粉症?」「多分。急にクシャミが」「マスクすれば良いのに」と言う口井章は完全防備の体制。「マスクはちょっと」と言いながらスガは季節はずれの中華まんを齧った。

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「何かグッドなアイデアはないかなぁ」先程まで日野寿にこってりと搾られていたのに今野円の遊び脳はフル回転している。「まどかちゃんお花見が良いよ。花見」「スガリン明らかに花より団子だろ」牧田スガ案は口井章に軽く流された。

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口井章(今夜は肉料理だな)

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「まどか、きもいよ」と口井章に言われてシュンとなっている今野円の横で牧田スガは中華まんを食べながらご満悦だ。「オイシイデスカ?」Iー836が聞いてきたのでスガは少し千切ってあげてみた。「セイブンハ コムギコ デスネ」

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「もう十二月だねぇ」赤や黄色に彩られた地面を見ながら今野円はしみじみした。「大分冷え込んできたね」口井章は両手を口に当ててはぁっと息を吹きかける。「鍋の美味しい季節だね」と言うと、牧田スガは中華まんを口に放り込んだ。

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