童話司書「赤頭巾」

かつて彼女は自分自身の未来の可能性を焚べることで魔法が使える”魔法少女”だった.
そんな彼女らは創像少女と呼ばれ,未来を燃やし尽くした際に選択を迫られる.

灰となるか,終末劇場の一員となるか.

...そして赤頭巾は,後者を選んだ.

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「夢の狭間」には現世の人々が想像し創造したものが流れ着く.それらの多くは,作り手すら忘れてしまった”遺想”だ.
もはや帰る場所もなく,誰かの夢の中に現れては,僅かばかりの生気を得ている.
そんな彼らにとってグランギニョルは,数少ない居場所なのだ.

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夢の世界を廻る移動劇団,グランギニョルには様々な”流れもの”が所属している.
彼らは皆,誰かにつくられ,忘れられ,そして夢の狭間にやってきた者たちだ.

例えば,劇団の誇る膨大な図書は童話司書「赤ずきん」を筆頭に,多くのスタッフによって管理されている.

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「創像少女」
創作能力に長け,自身の世界観や認識を元に”局所的な現実の上書き”ができる力を持った,所謂魔法少女.
魔法の源泉は,自分自身の未来の可能性であり,彼女らはいつかを燃やして今を謳歌する.
そしてその果てに灰となり,終末劇場に至るのだ.

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終末劇場グランギニョルは夢の中で予言演目を公演する.
それは今後来る世界の終わりと回避方法の暗示.

多くの夢見る観客は予言演目を悪夢だと切り捨てるが,やはり一握りの狂人は存在する.確かに信じて解決にあたり,そして世界は今まで滅びずにやってきたのだ.

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夢の狭間を行く移動劇団「グランギニョル」
演者はかつて自身の未来を燃やして創作に打ち込んだ創像少女たち.
予言演目と呼ばれるその劇は,いずれ訪れる世界の終わりを暗示するという.

夢の中でこの演劇に見えたら,あぁどうか夢と切り捨てず,世界を守ってくれないか.

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人物:渥温(あくぬく)
創像少女.劇団では大道具担当.
芸術<石膏>が得意であり,魔法により,対象の形状やあり方を”捏ね変える”ことができる.
口数が少なく愛想は悪いが,その実友達思いで面倒見がいい.
同期仲も良く,定期的にお茶会をしているようだ.

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狂創物:夢の狭間に現れる”干渉され狂わされてしまった創作物”の総称.体内に腫瘍を孕み,それを取り除かない限り,改変と狂化は止まらない.
放置すればいずれ現実世界にも影響を及ぼす.
終末劇場グランギニョルの普段の仕事のひとつに,これら狂創物の”治療”が挙げられる.

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「鉢被」

グランギニョルは,夢の狭間で興行する移動劇団である.連れて回る大型猛獣や襲い掛かる獰猛な生物に対して”調教”を行うのが,彼女の仕事.
”鉢”だと言って譲らないが,明らかに謎の茸を操っており,きび団子の如く,それを食べた生物を従えてしまう.

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赤頭巾
輝夜姫
桃太郎
鉢被

彼女らは,グランギニョルにたどり着く際にその名前を損なっている.現在名乗っているものはロルドから与えられたものであり,仮のものと言える.
夢の狭間では,名を持たないものは簡単に揺らいで曖昧になってしまうのだ.

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狂想物
干渉を受け改変された創作物.孕んだ腫瘍は日に日にその身を蝕み,凶暴性を増していく.
夢の狭間で顕現し,力を付け,現実にも手をかける.
終末劇場グランギニョルの仕事には,こうした狂創物の”治療”も含まれる.

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「三女王」
夢の狭間の地に君臨する3人の女王.
黒の女王,赤の女王,白の女王は互いに同盟し,敵対し,協力し,裏切り合っている.
その奇跡的とも言えるバランスの上に,現在夢の国は平和を謳歌している.
最近の狂創物の頻出は,各女王にとっても悩みの種だ.

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狂創物

あなた方がグランギニョルに合流する少し前.
「これまでに存在した全ての創作物」に,何かが干渉を開始した.それは最初,童話をはじめとした物語に染み込み,その筋書きを狂わせた.
そして狂った物語は,夢と現実に手を掛ける.
思い出が牙を剥く.

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ロルド
本業は劇作家.グランギニョルの現団長.
創像少女が未来を燃やし尽くすと現れる.
彼の手を取ればグランギニョルに迎え入れられるだろう.

団員となれば再び魔法が使えるが,その代償は狂創物から摘出した腫瘍である.
病巣を焚べ,さぁ,つくろう.

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干渉され狂わされた創作物は,”狂創物”として暴れ出す.
それは,孕まされた腫瘍のもたらす苦しみか,或いは自身を忘れて生きる者への怨嗟の念か.
所謂”名作”と呼ばれるものほど,狂創物と化した際の脅威度は高い.

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何者かにより干渉され改変され狂化された創作物は,腫瘍を孕み暴走を始める.それはまず夢の狭間で顕現し,いずれ現実世界にも影響を及ぼす.
これら狂創物の出現を察知し,出来るだけ早く腫瘍を”治療”する.
創像少女は,未来の代わりに,その病巣を燃やすのだ.

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絵画修復師の「輝夜姫」
絵画から写真,果ては壁画に至るまで,様々な絵・画を修復し保全する専門家.
夢の狭間には失われた記録が多く辿り着いており,グランギニョルはそれらを蒐集している.彼女の手により,それらはかつての栄光を思い出すのだ.

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童話司書の「赤頭巾」
グランギニョルは移動図書館としての側面も持っており,夢の狭間に揺蕩う無数の物語を回収している.
その多くは朧げで,気付くと消えてしまうものもあるが,彼女はそれら全てを覚えている.
犬アレルギーだが,犬好き.

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