見せつけるように差し出した手の甲にくっきりと浮かんだ痣。
 突き放すことばかり言うくせに、最後まで目も合わせないで。

「……思い出した」

 思い出した。

6月のオラシオン『6月・10 sideノクト』
完結です。ありがとうございました。
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ああ、そう考えたら。
 僕の守った世界で、いつかきみが生きてくれるのなら。

6月のオラシオン『6月・9』更新しました。
https://t.co/azoydoc0Zl

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「……元気で」

僕の代わりに向こうの世界に連れて行ってくれれば、なんて、ちょっとだけ。

6月のオラシオン『6月・8』 更新しました。
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ノクトに引っ張られるまま路地を抜けると見慣れた町並みが広がっていた。
いや、見慣れたという言い方には語弊がある。いつもの町が突然現れた森に飲まれてしまったような、そんな光景が広がっていた。

6月のオラシオン『6月・7』更新しました。
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「いや、そこで感動するなよ? 俺が優しくするのは裏があるって言ったろ?」
「感動してない! 感動どっか行っちゃった!!」

6月のオラシオン『6月・6』更新しました。
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僕たちはそんな少し先にあるはずの”自分たちの”未来すら知らなかった。いや、知るすべがなかった。

6月のオラシオン『6月・5』更新しました。
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そう。かつて生命の頂点に立ってこの世界を食い物にした”人間”と同じ形をしたモノを食って、この世界は復活する。

6月のオラシオン『6月・4』更新しました。
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「見てごらんなさい。環境が整ってさえいれば荒れ果てた世界でもこれだけ育つことができる」
「……それより。どうして彼処に?」

6月のオラシオン『6月・3』更新しました。
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「ああ、だからクルーツォはきみを守ったのかねぇ。お友達を何度も同じ形で失うのは心のない私でも酷だと思ってしまうからね」

6月のオラシオン『6月・2』更新しました。
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いや量産型に限らず……アンドロイドも人間も、体のつくりが違うだけで宿る魂は同じじゃないかと、そう思いたくなる”人”が多すぎる。

6月のオラシオン『6月・1』 更新しました。
https://t.co/SujAqbP3qD

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「共に育ち、共に暮らし、共に死ぬ。この世界から出ようと思った時にはもう手遅れで出ることは叶わない、か。皮肉だな」

6月のオラシオン『5月・4』更新しました。
https://t.co/MOigafDRkt

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「ちゃんと食べて、ちゃんと寝てる?」
「ああ」
「変な本読んだり、変なこと検索したりしてない?」
「……お前は俺を何だと思ってるんだ」

6月のオラシオン『5月・3』更新しました。
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『どうも表示されていた成分より生命の花が多く使われて――』

 クルーツォは例の栄養剤の成分がいつもと違うと言っていた。そのせいでヴィヴィに痣が現れたかのような言い方だった。

6月のオラシオン『5月・2』 更新しました。
https://t.co/12WkiPw2GQ

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「力が及ばなかったことを悔やむ必要なんてない。それはきみが成すことではなかったってだけだよ。
いつか、きみにしかできないことが来る。だから、ほら」

6月のオラシオン『5月・1』更新しました。
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「ヴィヴィ、痛、」
「その痣は、そのせいかも――」

僕の抗議もクルーツォの声も、最後まで言えなかった。

世界が止まった。

6月のオラシオン『4月・4』 更新しました。
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「……純真な子供に嘘を教えるな、って目はやめろ」
「よくわかってるじゃないか」

ああ。ノクトとクルーツォの間で冷戦が勃発しそうだ。

6月のオラシオン『4月・3』更新しました。
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「ちゃんとアーカイブは取っておけよクルーツォ。今度忘れたら修理工場行きだ」

6月のオラシオン『4月・2』更新しました。
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この世界が消えることも、僕が消えることも、確かに僕ひとりの我がままでしかない。
僕が消えたところで困るのは僕だけ。他の誰も、ノクトですらきっと僕が消えたら困るとは思っていない。

6月のオラシオン『4月・1』 更新しました。
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「本当に人類が滅んじゃったら、この世界もなくなるんだノクト」

6月のオラシオン『3月・4』更新しました。
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何度も言うけれど、クルーツォはそんな危険な目にあうかもしれない花を教えたりはしない。
クリスマスの時も病院の帰りも、彼は僕たちを守るために動いたことを、よもや忘れたわけではあるまいに。

6月のオラシオン『3月・3』 更新しました。
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