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物心ついた頃には僕はもう僕だったそんなの聞いてなかった /岡野大嗣 #tanka #サイレンと犀
うつくしい音を紡いでいる人が消えてゆくのは社会の摂理 /岡野大嗣 #tanka #サイレンと犀
【絵短歌】まただ のり弁掻き込んでいるときに後頭部から撃たれる夢だ/岡野大嗣(『サイレンと犀』)
降りぎわに「じゃあ」と握った手のかたち合えば二人の「またね」は祈り /岡野大嗣 #tanka #サイレンと犀
曇天は蓋を取っても曇天で自分の声は死ぬまで苦手 /岡野大嗣 #tanka #サイレンと犀
においから先に世界に立ちこめてそれから雨が降るときは夜 /岡野大嗣 #tanka #サイレンと犀
えっ、七時なのにこんなに明るいの? うん、と七時が答えれば夏 /岡野大嗣 #tanka #サイレンと犀
もういやだ死にたい そしてほとぼりが冷めたあたりで生き返りたい /岡野大嗣 #tanka #サイレンと犀
ふるぼけた水平線をリヤカーであつめて編んだ淡いストール /岡野大嗣 #tanka #サイレンと犀