# tanka

物心ついた頃には僕はもう僕だったそんなの聞いてなかった /岡野大嗣

108 496

うつくしい音を紡いでいる人が消えてゆくのは社会の摂理 /岡野大嗣

113 576

【絵短歌】まただ のり弁掻き込んでいるときに後頭部から撃たれる夢だ/岡野大嗣(『サイレンと犀』)

4 14

降りぎわに「じゃあ」と握った手のかたち合えば二人の「またね」は祈り /岡野大嗣

49 248

曇天は蓋を取っても曇天で自分の声は死ぬまで苦手 /岡野大嗣

43 292

においから先に世界に立ちこめてそれから雨が降るときは夜 /岡野大嗣

96 344

えっ、七時なのにこんなに明るいの? うん、と七時が答えれば夏 /岡野大嗣

327 963

もういやだ死にたい そしてほとぼりが冷めたあたりで生き返りたい /岡野大嗣

631 2128

ふるぼけた水平線をリヤカーであつめて編んだ淡いストール /岡野大嗣

48 358