ノーメイク、セルフカットのきみだけど裏地のボアのにおいは女 /岡野大嗣

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私達の間の沈黙が鍋の煮立ちであたためられた夜

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①冬日②折句「ねいろ」

ねがわくは冬日の中を
いつまでも
朗々と鳴る琵琶になりたし

絵:甲斐千鶴

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ゆぶね、って名前の柴を飼っていたお風呂屋さんとゆぶねさよなら /岡野大嗣

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to the mouse
the owl
is a monster—
devil’s night, and I don
the mask of flight

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きみという葡萄畑の夕暮れにたった一人の農夫でいたい /岡野大嗣

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物心ついた頃には僕はもう僕だったそんなの聞いてなかった /岡野大嗣

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友達の遺品のメガネに付いていた指紋を癖で拭いてしまった /岡野大嗣

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二回目で気づく仕草のある映画みたいに一回目を生きたいよ /岡野大嗣

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明日も歩いていいのかも また今度でいいよと笑ってくれた空

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祝日の午後の宙ぶらりんに来て無駄に綺麗に切る足の爪 /岡野大嗣

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赤々と世間を染めて沈む陽にご苦労様と暮れ六つの鐘 (本日の臨時増刊です・・)

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秋色の絨毯買って笑う 幸せで泣きそうになる夢

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ノーメイク、セルフカットのきみだけど裏地のボアのにおいは女 /岡野大嗣

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ひだまりの毛布で昼寝 寝息が秋空に浮かぶ雲をくすぐる

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物心ついた頃には僕はもう僕だったそんなの聞いてなかった /岡野大嗣

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同級の
友は世を去り
家売られ
 空き地となりて
 秋の陽浴びる

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世の中は不思議なもので満ちているみーの好奇をそそるみのむし

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シュリーレンさよならゆれるシュリーレン甘い生活だったシュリーレン

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