ジョーゼフはずっと何かを探している.
毎日急いでいる.世界が思い出に覆われて死んでしまう前に,何かやるべきことがあるらしい.
「じょーぜふ なにさがしてる」
「記録端末だ.物理的な本は死んでるが…デジタルデータがあるはずだ」
「ふむ」

どうも手伝えることはなさそうだ.

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彼女らがいる場所はつまり菌糸に飲まれた場所であり,かつての情報記録もそれに侵食されている.
彼女らは読書が好きなようだが,触れるたびにそれは菌糸に食われ,だんだんと崩れていく.

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彼女らの頭に生えるキノコは,非常に早く変化する.
感情や体調が反映されているとのことだが,彼女らの本体であるキノコがここまで素早く変化するのなら,真の本体は何になるのだろうか?
混乱期には様々な実験が行われたと聞く.
その文献を紐解けば,何かわかるかもしれない.

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「なんかお前,目の色変わってないか?」
「そうか?」
「黒だったろ」
「よくみてるな」
「変わった理由は」
「わからん かってになった なにいろだ?」
「赤色だな」
「ふ... おまえと おなじか」
「…なんか嫌だな」
---2人の会話

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「思い出だけで生きていく気か,人類?」

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かつて文明の象徴であった巨大な都市も既にキノコに飲まれ,多くは機能を停止している.

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カセドラル内部で,案内人は妙に機嫌がいい.
聞いてもはぐらかしてくるが,何か由縁がありそうだ.
-- ジョーゼフ

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大規模医療施設「カセドラル」はほぼ機能を停止しているが,なおコバルトジェネレータは動き続けているし,あの混乱期の記録がまだ残っている.
それを集め,欠けた情報を埋める.その先に夜明けがあるはずだ.
  --ジョーゼフのメモ

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ジョーゼフと案内人
2ショットむずいねぇ

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