橡の一重の衣うらもなく
あるらむ子ゆゑ恋ひわたるかも 詠み人知らず(万葉集)
* 橡(つるばみ)はクヌギ(椚・櫟・橡)のこと。実を煮出し鉄を媒染として紺黒色の染料として染めた衣は庶民のための質素なもの。

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白露に風の吹きしく秋の野は
つらぬきとめぬ玉ぞ散りける 文屋朝康
きらきら輝きながら散る朝露〜✩︎⡱

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