2084年9月8日
何日も歩き詰めだ.
ラジオはたまに電波を拾う.なんでもニューロンドン第23ブロックがこの先で避難民を受け入れているらしい.

ここにくる途中,空に浮かぶ白い巨大な手を見た.
あれが追いかけてこないことを祈り,眠る.

—— 終末事変後に回収された手記より抜粋

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「Head Professors - 12」
黄昏梟の有する12の部局,その長らを指す.

彼らは指折りの科学者であると同時にトップエージェントでもあり,自身の発掘・解析・再現した「文明崩壊前の技術」で武装している.

越夜隊からは最重要脅威とされており,一騎当千の人材と言える.

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—— 『管制塔からの指示,聞こえた?』
「通信が途絶えてる.何かあったのかな」
『どうする?まだ,飛ぶ?』
「良い機会だ,飛ぼう!ついて来てくれる?」
『ええ!どこまでも!』

: 後に反省文処分となるイカロス養成校生徒たちの会話より抜粋

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黄昏梟「ハッカー」

文明の痕跡や放棄された地下シェルターなど,失われた知識を求めるためには危険なエリアの踏破が不可欠である.

そうした場所の探索・調査・確保に長けた者を「ハッカー」と呼ぶ.
知識や解析に長ける「リサーチャ」とペアを組み,今日も世界中で神秘に見える.

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バトラー型シンカロン

広域清掃用多連装1ポンド砲「ベストクリーナ」

”一度の引き金で8発の1ポンドクラスの清掃弾* を射出可能!しつこい汚れにもこれ1本!”

* : 洗剤内包弾,漂白剤弾の他,緊急自衛用榴弾など多数ライナップ充実!

—— 終末前夜 某複合産業会社 コマーシャル

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黄昏梟「リサーチャ」

文明崩壊前の技術や知識を回収し,解析し,理解し.再現する.その先に文明の復興があると信じ活動する,科学者集団.

自身の専攻する分野の膨大な知識を有する者を「リサーチャ」と呼ぶ.
探検や発掘に長けた「ハッカー」とペアを組み活動することが多い.

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越夜隊「赤の聖歌隊」

各地に遺る崩壊前の技術や情報を回収するため,世界中で活動する実行部隊.
サイボーグ技術や兵器による機械的な身体拡張を行なっているものが多く,およそ人間離れした戦闘能力を持つ.

基本的に対話は不可能である.出くわしたら相応の被害は覚悟しよう.

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越夜隊「白の聖歌隊」

彼らが「天使」と呼ぶ何か,終末事変と関係のある何かを求め,世界中で活動している.
バイオテクノロジーを用いた身体拡張を行なっているものが多く,異形と化したものも少なくない.

基本的に対話は不可能である.衝突時にはある程度の損害は覚悟しよう.

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—— 天気予報通り,スタート前に雨が降り出した.
世界に蓋をするかのような,重く陰鬱な雲.
観客席には色鮮やかな傘や防雨ドローンが展開され,そこに雨粒の灰色フィルタがかかる.

私は目を閉じ,最大出力であの雲を突き抜ける瞬間を,焦ったく待ち望んでいた.

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—— 夕方の風が肌を撫でる.
夜の気配を孕んで,少し冷たい.

「...もう少しここにいようよ」
「あと1周くらいする?」
「そうしよう,か」

どちらともなくユニットの出力を上げる.
遠くで鐘の音が聞こえる.全てが黄金色に染まる中,彼女が振り返り言った.

「次も負けないよ」

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「終末劇場グランギニョル」

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越夜隊正式採用万能ドローン「フライシーカー」

カメラによる偵察,監視からレーザーユニットによる戦闘,物資輸送など多くの任務をこなせる汎用ドローン.
主に赤の聖歌隊により運用され,数的有利を作り出すために大量配備が常である.
構造自体は単純で,ハッキングにも弱い.

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黄昏梟 試作多脚戦車 「ソフィスティケイト」

再現された文明崩壊前の技術が用いられている多脚戦車.流線型のボディは遠距離からの攻撃を受け流し,撃ち合いを有利に進められる.
生産コストが高く,大量生産はされていないが,一騎当千の性能を有する.

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越夜隊正式採用多脚戦車「ミチビキ」

越夜隊の用いる戦略兵器の一つ.複数の機械脚を有し,様々な地形を走破可能.
主砲も任務に合わせて複数種類換装が可能で,汎用性が高い.

もし彼らの拠点を攻めるのであれば,ある程度の準備は必要だ.ほぼ確実にミチビキが配備されている.

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チームA
→ Next : ニューベルリン!

新世界を抜け,ヨーロッパ上陸!
さぁ,黄昏に旅立つ梟の巣へ!

KP : 猫黒夏躯
PL: コザカシウス・マセウス / みすみさん
エドガルド・アトラベサー / 鴉鋼さん
クピドライト / ウオ之助さん

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シンカロン(Think alone, 汎用人型アンドロイド)

メンテナンスモード

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—— フライトモードを解除し,重力に身を任せる.飛行ユニットの自動制御が心地よく作動し,私は高度3万メートルを滑空する.

遠く背後,とうに通り過ぎたゴールゲートの点滅が見える.
私の先には,誰もいない.

凱旋のための自由落下.

私は名残惜しさを連れ,帰路に着いた.

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