クラクション。鈍い衝突音。
虚ろな眼差しで這う断末魔。
耳だ。耳だ。耳だ。耳だ。
瞼を閉ざした全ての耳が、
一つの巨大な迷宮になる。
救急車のサイレンは遠く、
地獄の門の軋みは近い。
耳は見る。耳は聞く。
サイレン。
舌打ちする耳だ。

1 4



「この絵に悪魔は何匹いるでしょう?」

「みんな人間じゃん」

そう、この感性だけがコノ女を僕の妻たらしめる。
肥太り、ほとんどベッドから起き上がらず、スナック菓子を食べ続ける彼女を見ると幸せイッパイになる。
それはきっと愛、或いは死に至る病。

3 17

「はい、それじゃぁ腎臓のツボ押しますからねー。あー落ち着いて。暴れないでくださいねー。」

2 6

「ほぉら、これこそ貴様らがお望みの『愛されたい』だぜ?しっかり見なよお?」

1 3

魔界秘孔「腰痛殺し」を突いた!!
これで一生腰痛に悩まされる事はなかろう…。

え?何で首噛んだか、って?
なんとなく雰囲気出るかな、って。
なんか悪魔っぽくね?

え?それ吸血鬼?
…う、うるさい!黙れ黙れ!!

1 2

餅が気道を塞いでいる。「助かって景子!」ジュウジュウ、テンテン!必死で背中を叩いて餅を吸い出そうとする俺。「腹イタに全部…」天使が呟く。「死ぬざまぁ!今日中に3000点!」悪魔が叫んだ。

1 7

あの夏、先輩と初めてのペアストレッチをした。もっと!もっと!伸ばされてイク僕の筋肉。

0 4

妻のバックから一枚のパンフレットが出てきた。

今日は同窓会ではなかったようだ。

数分前に止んだ夕立でパンフレットが濡れていた。

1 11

殺してやりたかったし、死んでしまいたかった。もう一生愛されない男は、明日になったらそれを忘れて旅に出てしまうだろう。何処に行っても同情してもらえない彼を、私は残念に思うかもしれない。そうでないことを、ただ願うばかりだった。願いは星になる。

0 6

アフリカに少年を買いに来たオスカー・ワイルドとジッドは、恋人とまぐわう推しがやらしくてかわいくて尊くて仕方無く、理性の上では買うのを断念するが、心の中で推しを激しく犯してしまう。

1 3


「日本の文化はいい」
「うむ、そうだな」
「特に日本のアニメには、大いに感銘を受けた」
「どういう内容なんだい?」
「そうだな…たしか、手はこう。足は…こうだったかな?首も決めないと」
「アーハン…激しいね。何ていうアニメだい?」

1 20

ズキュウウウン

「さすがブグロー!」
「おれたちに描けない事を平然とやってのけるッ そこにシビれる!あこがれるゥ!」

1 7

置いていかないでって世界に言うのをやめた日から、私たちの世界から虹が消えることはなかった。良い子ね、あの人。でもまだ足りないわ。あの人は虹を永遠にできない。
明日世界が終わったら、泣いちゃうんだろうな

0 4



女王陛下、こちら馬鹿には見えない鹿でごさいます。

3 23

夜明けの中、憎しみに背を向けて
さらけ出す欲望に目を向けて
獣の薫りに酔いつぶれて
同じ視線を手繰り寄せて
求めあい感じあう
意味のある沈黙の木陰で。
混ざりあう鼓動の夢に。

1 10

おっと!鹿女の鹿が、臭いストッキング女に捕まって、足でヘッドロックされている! 鹿、耐えられるかストッキングの臭さに!

たまらず鹿女、消臭スプレーといい匂いの花で鹿の救出に行った!
臭いので、顔を背けたまま。

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「百年前、我々が今現在たぬきと呼ぶ四つ足がなんと呼ばれていたか、その手がかりを秘めた画像がこれだ」

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