翔太「あ、僕は違うよ~。僕は元々、サイラスのシステムエンジニアをしてたんだけれど……『ある事』が原因でリストラされそうになっちゃってね……そこをミリィさんにスカウトされて、ここに来たんだ~」
真奈美「さ、サイラスから!?」

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ミリィ「まぁホムラ自身、あまりに自由奔放(悪く言やぁ自分勝手?)な性格だから、振り回される俺達は相当苦労してるけどな」
真奈美「では、皆さんは全員……?」
トニー「その通り」

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ホムラ「ハハハ……いや、すまん。確かに、社会的観点からすればお前の言う通りだが、良いんだよ、ここではこれで。何せ私が、そうしてくれって皆に頼んだからな」
真奈美「……?」

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しばしの沈黙。すると、

ホムラ「……プッ、クッフフフ……アハハハ……」
ミリィ「ハハハハ……」
小川「アハハハ……言うと思ったぜ。アハハハ……」

これにつられて、他の連中も笑い出す。

真奈美「な、何がおかしいんですか!?」

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真奈美「……っ! あの、皆さんちょっと良いですか!?」
一同「!?」

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ホムラ「今から用意するとなると、大凡3週間は掛かるかもしれん。なんとか引き延ばして貰ってくれ」
小川「そっか……ま、それならしゃ~ねぇな……解った」
真奈美「……」

そこへミリィがやってくる。

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翔太「あ、しゃちょ~、その新機体用のOSなんだけど、火器管制の部分のデバッグがまだなんだ~。もうちょっと時間くれるかなぁ? そこさえ終われば、あとは組み込むだけだからさぁ~」
ホムラ「解った。急げよ?」
翔太「ほ~い」
真奈美「……」

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ホムラ「まぁ一つだけ明かすなら……今回のこれは『着せ替え』が出来るシステムを導入してあるんだ。今度また、機会があれば教えよう」
真奈美「はい! 楽しみにしてます!」
小川「(懐を探って)…ありゃ、切れちまったか。ホムラ、悪ぃ、一本くれ」
ホ「あいよ」
小「サンキュ」

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トニー「ま、ガ〇プラでいうなら、ファイターもやるしビルダーもやる、所謂マルチプレイヤーってところか。実際、アイツの組んだ機体は、地球軍が使ってる純正品よりも遥かにハイスペックだからな。つい一昨日も何か、新たな一機を作ってるって聞いたよ」
真奈美「そうなんですか!? 見てみたい!」

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真奈美「ああ、言われてみれば確かに……社長室で模型を作ってるのは、そのシミュレートも兼ねているって聞きましたけど……?」
トニー「ああ。遊んでるように見えるけど、彼も彼で、ウチのEXM関連技術開発責任者として色々頭を悩ませているみたいだからな」

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<15時30分。オフィスビル2階・リフレッシュルーム>

真奈美「ふぅ……思ってた以上に大変なんだなぁ……皆さんは、これらの作業をそれぞれたった一人でこなしてるんですよね? 凄いというか、なんというか……」

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そして……翌日の会社概要や、一従業員としての給料や待遇、業務内容……等々の説明の後、1日のOFFを経て、風間真奈美の、ほむらワークス社員としての仕事が始まった。
現在、彼女のポジションは、新入社員故の「雑用係」である。

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ホムラ「ああ。よろしく頼むぜ! ようこそ、ほむらワークスへ!!」
真奈美「はい! こちらこそ、よろしくお願い致しますっ!!」

ホムラと真奈美は、互いに笑顔で、ガッチリと握手を交わした。
その大きく熱いホムラの手に、真奈美は驚きつつも、よろしくとばかりに力強く握り返した。

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真奈美「えっ? あ、は、はい……」

ホムラはミリィにアイコンタクトで、良いか?と問い、ミリィはそれに大きく頷いた。

ホムラ「……良いだろう。明日の1430時、もう一度ここに来い。その上でまず、色々説明をして、君に何をやって貰うかを決めよう!」
真奈美「えっ? そ、それじゃあ……」

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ホムラ「痛ってぇな。どこだって良いだろ、別に……」
ミリィ「ったく……」
真奈美「???」
ホムラ(ふむ……パッと見、Fってところか……)

怪訝な表情の真奈美をよそに、少しニヤついていたホムラは、オホンと咳払いしてから、

ホムラ「……風間。いや、真奈美、と呼んで良いか?」

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ふと、ホムラは立ち上がり、色々考える素振りを見せて真奈美に歩み寄る。その華奢な肩に手を置き、驚く彼女の眼差しを、サングラス越しに見つつ、

ホムラ「……良い眼をしている。度胸も良い(視線を真奈美の胸元にさり気なく向けて)……良い感じだ!」
ミリィ「おぃ! 何が『良い感じ』なんだ?」

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真奈美「……それからですね、私がEXMのパイロットになろうって思ったのは。戦うだけでなく、人型である故に、被害を受けた人々を助ける事が出来る力を持っている……扱うパイロット次第ではありますけれど、EXMにそんな魅力を個人的に感じてます」
ホムラ「ふむ……」

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真奈美「はい……8年前、私がまだ子供だった頃、新宿でテロ事件に巻き込まれたんです。駅地下に逃げる途中、母が崩れた瓦礫の下敷きになってしまい、助けようとして、ビクともしない瓦礫を退かさんと齷齪してたら……そこへ、白い指揮官型アルトが現れ、瓦礫を退かして助けてくれたんです」

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