ごめんねメリー。こんな窮屈な琥珀の中に閉じ込めたりして。でも我慢して頂戴? もっと広い世界を見る為なの。
全部、ぜんぶ。貴女のお蔭だわ…あは。ありがと、メリー。

嗚呼、何て気持ち悪い眼…素敵だわ。

さァ、一緒に夢の世界を現実に変えましょう?

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貴女はずっと、ずっと私の傍にいてくれるわよね?
だって…ほら、見て。私の首。ここにしっかり結んであるもの。貴女と私を繋ぐ、運命の赤い糸。素敵でしょう?
ね、蓮子。キスして。そうね…ここがいいわ。
貴女の気持ち、示して頂戴?

――足の甲…隷属

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波に揺られ 眠り
波に揺られ 目覚める
言の葉は 波に流れ
想いの舟は 波が運ぶ

私たちは 此処より出でて
私たちは 此処へ還る
微睡みの淵の 私は
貴女の 波に 包まれて 沈む

――腹…回帰

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「ちょ、蓮子…そこばっかり、」
「ん… だって、しっかり印をつけないと、誰かに取られてしまうでしょう…?」
「誰によ…」
「そうねぇ…幻想、とか。
幻想が貴女に恋をして、連れ去ってしまうかも知れないから」

――胸…所有

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サナトリウムから戻ってきたメリーの能力は、明らかに強まっているようだった。
調子はどう?と尋ねると、笑顔で「好調よ」と返すメリー。それが却って儚げに見えて。
私の行動に困惑する彼女をよそに、掌にキスをする。
どうか、ずっと傍に――

――掌…懇願

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私はメリーの喉に口づけを繰り返す。その度に彼女から漏れる声に、奥底で眠っていた何かが抑えきれずに暴れだす。
もっと、欲しい。
貴女が、欲しい。
本能に突き動かされ、幾つ目か知れない印を刻み込む。
真っ白な喉元に、一輪の赤い花が咲く。

――喉…欲求

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最近、蓮子の様子がおかしい。
おかしいと言っても、劇的な変化ではない。傍にいることの多い私がうっすらと感じる程度の、些細な違和感。

その日はうなじに顔を埋め、首筋にキスをしてきた。
そこから微かに伝わる感情。焦り、不安、そしてーー

――首筋…執着

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「大丈夫?蓮子」
普段より元気のない私を見て心配してくれるメリー。ちょっと頭が重くて、と答えるとメリーは私の額に手を当てて「熱は…大丈夫そうね」と呟いた。
「全く…無理しないでよね」
彼女は優しく囁いて、額に軽くキスを落とした。

――額…祝福、友情

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私に背中を向けるようにして読書に耽る彼女。その金色の綺麗な髪に触れる。さらさらと手の上を流れてこそばゆい。
すぐ傍にいるのに、とても遠い。
そのことがどうしようもなく寂しくて、そっと黄金色に唇を寄せた。

――髪…思慕

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「それじゃあ蓮子、乾杯しましょう」
「うん…
…あ、そうだ」
「?」
「その…カクテルで隠される前に味わっておきたい、かな」
「…えぇ、そうね。先ずは貴女を確かめないと…ね」

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・・・
「…何で私まで、こんな…」
「持ちかけたのは貴女よ、蓮子。自分で掘った墓穴に入らない訳にはいかないわ」
「うぅ…」
「…ねぇ、蓮子」
「…何よ」
「可愛いわよ、とっても」
「っ!!?」

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