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蛇を見て口井章は悲鳴こそあげなかったもののとても厭そうな顔をした。足取りも少し重い。「まどか、戻って来なよ」今野円が人集りに揉まれている横を牧田スガは上手くすり抜け蛇の前に行くと尾をむんずと掴んでー近くの茂みに投げた。#えんすけっ!
きゃーと悲鳴をあげて牧田スガは口井章の後ろに隠れて肩を震わせている。「スガリン、どうしたのぉ」今野円が心配そうに声をかけた。スガは真っ青な顔で地面を指差して「く…蜘蛛」と言うと同時にそれをI-836がパンっと潰した。 #えんすけっ!
「寒くなってきたねぇ」「紅葉狩りの季節ももうすぐだね」「また行きたいねぇ。スガリンも行くぅ?」今野円と口井章がそんな会話をしている隣で牧田スガはパンをもぐもぐと食べながら「紅葉狩りは食べられないからいいや」と答えた。 #えんすけっ!
「スガリン何食べてるのぉ?」牧田スガが鞄からパンを取り出して頬張るのを今野円は見逃さなかった。「はほひはんのはんあお」「ぬらりひょん?」殆ど聞き取れない。スガはごくんと飲み込むと「ナポリタンのパンだよ」と言い直した。 #えんすけっ!
「ビシャが憑くぅ〜♪」と歌っている今野円は青い。一緒に歩いている牧田スガはお茶のような緑だ。「スガリン、そのあまがっぱ可愛いね」スガはニコっと笑顔で「これ、チャブクロの新作」と言った。胸もとには白い目が描かれていた。 #えんすけっ!
「あつい〜」と言いながら牧田スガはアイスを咥えて出てきた。「スガリン、それぇ」今野円は素っ頓狂な声をあげた。「アイスだよ」いやそれはわかるけど。すぐに食べ終わって名残惜しそうに棒を咥えていたら日野寿に呼び止められた。 #えんすけっ!
「まどか、それ食べないの?」牧田スガは今野円の皿の海老フライを指差した。「まどか海老フライ好きだから取っておいたんだょ。スガリンにはあげないよぉ」眉毛をハの字にして円は言った。「ちぇーっ! 好きなの先に食べないんだ」 #えんすけっ!
「まどか、セミいたよ」牧田スガが指差した先はは今野円の視線より大分低い。「わぁ、いたぁ! スガリン、ありがとぉ」円がぴょんぴょん跳ねたのでセミは飛んでいった。「セミと言えば、中国とかでは唐揚げにして食べるんだよね」 #えんすけっ !
「児泣き婆はカボチャだから食べられる」牧田スガは一口チョコを口に頬張りながらブツブツ言っている。「スガリン、どうしたのぉ?」今野円が聞くと「食べられる妖怪について考えてたの」と答えてスガはもう一つチョコを口に入れた。 #えんすけっ!
「まどかの話、ちょっとうす気味悪かったからね」牧田スガはナポリタンを啜りながら言った。「そんなことないよぉ。あきちゅわぁん、そんなことないよねぇ」今野円はすがるように口井章に泣きついた。「あぁ。まどか、きもいからね」 #えんすけっ!
「スガリン、聞いてるのぉ?」「うーん聞いてるよっ」と言いながら牧田スガは今野円の手元のサンドウィッチに釘付けだ。スガが頼んだナポリタンの皿は既に平らげられている。「まどかのだよぉ」と言うと円はスガの視線を手で遮った。 #えんすけっ!