中山五則は緊張していた。渋沢一二三の命で妖怪研究会の新年会の余興をしなければならなくなったからだ。渋沢家への新年の挨拶で調子に乗ってやった余興が一二三の琴線に触れたのが運の尽きと腹を括って舞台袖で額に五円玉をつけた。

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