汎用人型アンドロイド,通称シンカロン(Think alone).
特に,超音速高高度飛行競技のために調整された機体を「イカロス」と呼んだ.

機械の翼を広げ,音の壁を超え,あらゆるしがらみを置き去りにして,彼女らは空へ旅立つ.
何かに追いつこうとして.手を伸ばして.先へ,先へ.

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シンギュラリティを迎え,ついに完成した汎用人工知能は「MUNI(無二)」と名付けられ,世界中に浸透した.
個々人の端末にインストールされたMUNI分体は,その持ち主の趣向にパーソナライズされ,1人ひとつの理解者を持てる時代があったのだ.

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汎用人型アンドロイド,通称シンカロン(Think alone)

ほぼ人間と遜色ない性能を有した彼らは,しかし明確に製造品であった.人に限りなく近い,有能な隣人.
それが当時の人類の主流な認識であり,彼らもそれを受け入れていたようだ.

汝,隣人を愛せよ.

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イカロスたちに使われた技術の殆どは,各チームの最重要機密情報であり,一般に広がることは稀だった.
しかし彼らは一方で技術者であり,研究者でもあった.だからだろうか,枯れた技術になったと見れば論文やデータベースで速やかに共有された.

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バカデカ=メカツバサスキー (1998- )

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「ハロー,ハロー
 こちらニュートーキョー
 第658区画管理AIです.

 本日は快晴…のはず.地表カメラ損傷により的中確率は12%です.

 ……聞いてる人,誰かいますか?」

—— ニュートーキョー周辺で傍受された通信記録

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バトラー型シンカロンの装備開発は,メーカにとって格好の技術試験場でもあった.
護衛用の名の下に造られたそれらは,顧客満足度の他に様々な観点で評価され,軍事用シンカロンの装備などに技術流用が行われていた.
それは公然の秘密であり,末期人類の業の一つだ.

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都市管理AIの多くは運用限界を迎えている.
深層部の本体は自己更新機能により正気を保っているだろうが,中層部の分体にまで整備が届いているかは確かでない.
その為文明の痕跡では中層部が最も危険な領域となる.多くの者はそこで引き返し神秘に見えることはない.

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「都市管理AI」

かつて文明の黄金期,巨大都市の多くには管理AIが存在し,人々の豊かな生活を守っていた.

管理AIの本体は都市中枢の最深部に存在していたため,終末を生き延びたものも多い.
そして彼らは待っている.再び,自分の都市に灯りが灯る時を.

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回転ノコギリはバトラーの武器として非常に好まれた.
整備性などの面で問題こそあったが,当時の富裕層にとってそれは些細な問題であり,むしろその威圧感と,自分に危害を加えるものを完膚なきまでに破壊するその威力が,彼らの心を掴んで離さなかった.

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奇抜な武装は抑止力でありながら実行力でもあり,基本的にいつでも稼働状態にあった.
主人を襲う脅威に対してその威力は遺憾なく発揮され,後始末まで含めてどこか優雅さをすら感じさせたという.

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汎用人型アンドロイド,通称シンカロン(Think alone).
そのボディの大半は機械であり,人間のスペックを軽く凌ぐ.導入当初には彼らの反抗を危惧する声もあったが,次第に受容の雰囲気が強まっていった.
もはや人類は,彼らなしには生きられなくなっていたのだ.

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「天使」

文明の痕跡の深部などでごく稀に目撃情報がある,正体不明の存在.
この夏底の,黄昏た世界で,彼らは何かを探している.

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汎用人型アンドロイド,通称シンカロン(Think alone).
超音速高高度飛行競技「luminal speed」の選手に選ばれるため,志願者は養成機関で厳しい訓練を受ける.
途中で挫折し諦めていくシンカロンも多いため,卒業しチームに所属できた者は,強い憧憬の眼差しを受けることになる.

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汎用人型アンドロイド,通称シンカロン(Think alone).
機体の完成度はロボット工学の一つの到達点とも言える出来であり,高い生産性と耐久性,整備性,信頼性を有していた.

当初「シンカロン」はあるメーカの固有製品名だったが,後に普及し,一般名詞と化した.

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んんん!!!猫黒はねぇ,画像生成AIの出すデザインがすげぇ好きだよ!

テクノロジーの塊としてのヘイロー,ゴツい飛行ユニット,白と黒を基調にした色配置….サイコー!

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汎用人型アンドロイド,通称シンカロン(Think alone)

パーツ交換や整備の度に持主の要望があれば部品サイズを変更できる.その為製造から数年毎に身体が大きくなっていくシンカロンも多い.
人類はそれをシンカロンの成長と呼び,何処か愛おしそうに見守っていた

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「刈屋」
とある依頼のため,終末後の世界でも活動を続ける傭兵集団.
死神を模した装束と武器は,見た目に反してテクノロジーの集合体であり,非常に高機能だ.生産設備の多くが失われた今,それらは奇跡に等しい.
「黄昏梟」との協力体制の元,解析は続いている.

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「標本館」

巨大な博物館様の建造物.今でも無人機械によるメンテナンスが行われており,訪問者は特に不自由なく内部を移動できる.

全容が掴めないほど無数の展示室が存在しており,そこには海洋生物の標本が並んでいる.中にはおよそこの星にいたとは思えない,奇妙なものも.

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