彼女の歩く道は、いつも華やかで。
(iPad,Apple pencil)
2019.06.10


0 2

この先にオアシスがあるか
分からない道のりではあるけれど
未だ明けない暗い空を見上げて
星運ぶ鯨を夢想する
きっとあの先にまで行けば
大海に繋がる川も流れているだろう
消え入りそうな小さな星がひとつ

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葉が出る前に踏まれたり
傷付いたのが四つ葉になるんだって
傷付いた人が人に優しくなるみたいだね
そう言う君の真っ直ぐな心根が
羨ましくて厭わしい
私の傷が人様の幸せの象徴なんてぞっとする
そう思ってしまったのに
まるであなたみたいなんて
ほんと羨ましくて厭わしくて…

0 2

この眉間にある1本の縦皺が嫌
私は笑い皺でくちゃくちゃの
おばあちゃんになりたいのに
笑い皺はどんな人の顔も引き立てる
レースのラリエットも敵わない
これが私の負ってきた時間
これが私を飾るものです
笑い皺でくちゃくちゃの
おばあちゃんになりたいのに

0 2

日差しは気温を上げても
空はまだ霞んで
ぼうっとした青が
雲を薄く引き伸ばし
ああ、どこかで
炭酸が弾けている
私はビー玉のように
この空を固め閉じ込め
散ってゆく夢を
口の中で転がそう
広がるのは
苦味にも似た刺激
そして

0 2

まだ遠かった呼び声も
高く鳴り渡るファンファーレとなるだろう
目覚めよ
目覚めよ
花は次々と合唱に加わり
式典の始まりを告げようとしている
目覚めよ
目覚めよ
私は宇宙を抱いて眠るもの
そして
やがて世界を咲かすもの
目覚めよ
目覚めよ
私の世界が目覚め始める

0 2

私は微睡む
現ではなく
けれど夢に
身を投じもせず
そのあわいで
陽炎のように
望む処を決められず
漂うように
微睡んでいる
春窓の翳り

0 1

季節に温む春の水を思う
静かに
けれど確かに
山川を潤してゆくように
私の心をも満たせ
そして
その身を刺す清冷さで
眠り続けるこの種を
目覚めさせよ

0 3

回転寿司の隣の席で、如何にも新入社員の若者が、如何にも先輩な女性に一端の口を利いている。ああ、若者よ。いつか赤面しながら今日の日の事を思い出すだろう。そして、その何倍もの月日が流れた時に、今日の思い出が消えかけた火に風を送るかも知れない。君の道をひたすら進め。

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横でハラハラするくらい
好き嫌いがハッキリしていて
そのくせ人と仲良くなるのが早くて上手で
強いように思われるけど
実は涙脆くて感受性豊かで
貴女は私の怒ったところ見たことないって
おっとり真面目ちゃんだよね
でも実はって笑う
貴女が友達でいてくれて本当に嬉しい

0 2

さあさあ起きて
クスノキの新芽
もう4月がやってきた
まだまだ起きない
お寝坊さんを
兄さん姉さん笑ってる
お日様の光たくさん食べて
その赤い色を濃い緑に
早く変えなきゃいけないよって
お日様も笑ってる
私も待っているからね

0 0

コーヒーの香り
トーストも焼きあがって
小さな幸せって
こんな事を言うのだなって
甘酸っぱいブルーベリージャムを
たっぷりと塗る
今日は久しぶりに早起きしたから
服を選ぶのも余裕だったし
お化粧も念入りに
ちょっぴり早くなった春の朝
とびきりの笑顔で
あなたに会えそう

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お互い年をとって
私に思うところもあるでしょうが
それはお互い様なので
目を瞑っていきましょう
当座の目標は
ちゃんと貴女を見送る事ですが
そのとき貴女に
私が娘で良かったと
思ってもらえたら嬉しいです
とりあえず
お誕生日おめでとう
まだまだ長生きしてください
お母さん

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あの頃と何も変わっていない気がするけれど、卒業証書の入った筒を持ってさんざめく彼女たちを見ると目を細めてしまうのは、やっぱり私もおばさんになった証拠かな。貴女たちの未来が幸せでありますように。そして、その眩しさがまだ少しは私の中にも残っていますように。

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いつか来る別れが苦しいからと
想いを手放す事ができるなら
こんなに憧れたりはしないだろう
あなたはただあるがままで
私もまたあるがままに
この想いを受け入れていくしか
ないのだという事は分かっているけれど

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カメックス。この大砲、正面攻撃しづらそう。

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