姉さまは母の哀れな生贄だった。
毎日毎日塾やなんやのお稽古ごとに行かされ、可愛い栗毛は黒に染められ、母の『可愛い自慢の娘』にさせられた。

---ただの鹿風情のクセに。
私より良い服をもらって。

だから私は、せいぜい要領良く生きることにしました。

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この前弱小校が甲子園決勝に行った話あったじゃないですか。
アレ、『奇跡』なんかじゃないっすよね。
もし、あそこのエースのお母さんが超資産家の娘で、妹さんが高野連のお偉いさんと不倫してるのを『奇跡』って呼びたいなら話は別ですけども。

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「もうちょっと待っていて、今この子しめてるから。」
「今日はジビエね、楽しみにしてる」

狩人姉妹の食卓

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森に溺れる手の形の木の欠片
私の膝上ストッキングが欲しい?
欲しくない?

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傷みやすい夏の夕暮れの空気にはスプレーを撒いて殺菌する

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「おい親父、元に戻せ!なんで俺、裸の女なんだよ!」
「そうよ、こんなおばさんやだぁ……ママなんて鳥よ!」
「痛っ……ポチやめろ!今、鹿なんだから!」
「パパ早く!」
「親父!」

「……ウホ?」

「てめぇ、なにゴリラになってんだ!ろくでもない発明すんな!」

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殴りたいが、こちとら1対2の四つん這い。あゝ分が悪い。

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オールザッツ漫才でネタを披露する尖った若手トリオ。

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未成年の僕らが部屋で愛し合うのと小遣いで行ける範囲のホテルで愛し合うとではどちらが親に対して誠実なのだろうね。彼女は鹿の首をとったような顔をしている。僕は亀の頭をすっかり盗られたっていうのに。

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鹿の頭に刺さっている実を食べたら、悩み事の半分が吹き飛んだ。残りの半分は馬から取れる実を食べれば消えるらしい。大丈夫、馬がいないのなら作ればいいのよ。ほら、馬の生き血を吹きかけたら、もうこの子は馬よ。あとは食べるだけね。

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図らずも向こうから馬が来てしまい、気まずい鹿。

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見るに耐えない行為にふけっていたから、姿を差し替えた。しかし効くのは男だけ、景色はより背徳的な色を帯びる。女など造るのではなかった―神は後悔した。

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コレが700年後、ジェンガになる訳です。
余談ですが場所は奈良です。

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あらまあ、そんな格好になって
まるで靴墨の様
ふふ、すごくお似合いよ
彼、すごく良かったでしょう?
その姿を見れば解るわ
私もいつもそうなるもの
彼、最高よね
さっきもいい顔をしてくれたの
赤ら顔に白目で舌を出して
いい顔になるのと友達になるの
あなたはどっち?

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人間だ
人間が来たよ
怖いよ、お母さん
鳥達は遠巻きに私を伺う。

挨拶に来た長老を撃ち、逃げ惑う背中も次々と撃った。
喋る鳥は美味しかった。
狩り尽くして尚私はそれを求めた。

この森に猟師は立ち入ってはいけない、祖父の言葉の意味がやっと分かった。

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海底は鮹が支配していた。
人でなくなることは死ぬことと同列だろうか。生きることに失敗した私はため息のような墨を吐いた。

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雨子が雨子と呼ばれているのは雨の日に彼女を見た奴がいないっていうあべこべな理由。
「そんなとこでタバコ吸ってるとルンペンにタカられるぞ」って言ったら「くれてやるよ」と言って煙の輪っかを作ってみせた。広がりながら、空を登っていく。めちゃくちゃに晴れてる。#生首ディスコのドレスコード

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