真奈美「はい……8年前、私がまだ子供だった頃、新宿でテロ事件に巻き込まれたんです。駅地下に逃げる途中、母が崩れた瓦礫の下敷きになってしまい、助けようとして、ビクともしない瓦礫を退かさんと齷齪してたら……そこへ、白い指揮官型アルトが現れ、瓦礫を退かして助けてくれたんです」

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捲し立てる真奈美に、ただただ唖然とするホムラとミリィ。そうして1分……二人の様子に、ハッと真奈美は我に返る。

真奈美「あっ……ご、ごめんなさい……私、面接の最中だってのに、なに変な熱弁を……」

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真奈美「そこまで自惚れるつもりもないですけど、そんなテロや災害とかの脅威から、友達や家族、或いは住んでいる所を守れる力がEXMであるというのなら、私はそれを使ってそれらを守り、助けたいと思っています! これはいけない事ですかっ!?」
ホムラ&ミリィ「…………」

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真奈美「それに…何でも屋は、場合によっては人殺しにもなる、と言いましたよね? 私はそんなつもりでEXMのパイロットを志願している訳じゃありません。私がやりたいのは、人を助ける仕事! つまり、私自身が戦う事で、誰かの命や財産、或いは住んでる世界を守れる、という事でもありますよね?」

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真奈美「自分で選んで、自分で門戸を叩いて雇って頂く訳ですから、それに準じて職務に全うし、自身の人生の糧にしていくのが社会人ってもんでしょう? まぁ、セクハラやパワハラが酷かったり、或いはこちらの体調やプライベート諸事情とかを無視して過重労働を強いる、とかいう場合は別ですけど…。

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真奈美「確かに、御社はその仕事量の多さや労働時間の長さからすれば、ブラック企業なのかもしれません。でも、だからってすぐに逃げ出したら、それは私自身の志望動機に大噓をついてしまう事になります!」

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ミリィ「まぁその分、給料は一般企業の平均の1.5倍に設定してるし、待遇もそれなりにしてるので、今のところそんな奴は出てないけど、君のような成年間近の女の子がここで働くには……」
真奈美「……やります! やらせて下さい!!」
ホ&ミ「っ!?」

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ホムラ「それは即ち、何でも屋として自分も働いてみたい……と、そういう意味として受け取っても差し支え無いか?」
真奈美「……はい」

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ミリィ「なら、そのHJアルトに、誰が乗ってたか解るかぃ?」
真奈美「ええ、ホームラン社長……ですよね?」
ホムラ「That’s Light! ま、そこまで知ってるんなら、変に隠す必要も無ぇな。ま、つまりはこういう事だろう? 君は人を助ける仕事の一環として、EXMのパイロットをウチでやろうと思った。

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真奈美「はいっ、ありがとうございます! あ、そうだ! こちら、つまらないモノで恐縮ですが、よろしければどうぞ‼️」

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ミリィ「ふ~ん……それなら、ウチみたいなブラック企業なんぞよりも、救急隊とかに行っても良かったんじゃないか? もしくは地球軍とか、な……」
真奈美「私も最初はそれを考えました。でも、軍は色々規律があって、一般の兵隊さんでは、思うようにEXMをオーダーカスタマイズし難いと聞きますし、

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真奈美「人を助ける仕事がしたい、と思ったからです。確かに、EXMは戦いの為に造られたロボットである事は解ってます。でも、現在では軍だけじゃなく、民間にも様々な形で広まり、災害救助や復興支援、或いは防衛とかにも多用されています。私はそういった仕事に就こうと思って、EXMのパイロットを…」

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リーネ「あら…?あそこの社員の方なのね。ほむら社長には何かとお世話になってるわね。お茶を準備するから少し待って頂戴。」

真奈美を席に案内する。

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ホムラ「ほぅ……なかなか立派な先生に仕込まれたようだな。なら、ある程度関連の知識はあると思って良いかな?」
真奈美「え、ええ、まぁ……」

真奈美の苦笑に、ホムラも頷く。そして、真顔になって、

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真奈美「ええ。所謂サークル活動みたいな感じで、独学でEXM関係の勉強をしていました。私の担任の先生が、元地球軍の人で、その伝手で関連の企業や工場とかを見学させて頂いた事もありますし、あと、シミュレーターも何度か」

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ホムラ「んじゃ、早速始めるとしよう……履歴書を見させて貰ったけど、君はあの私立八十八夜女学園を卒業したばかりなんだってな?」
真奈美「はい」

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ホムラ「よく来てくれた。私がこのほむらワークスの社長・ホームラン・ケン=ヘッドウェルだ」
ミリィ「同じく、副社長兼経理部長のミリアルド=高山だ。ヨロシク」
真奈美「はい、よろしくお願いします!」

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いずれも先程の写真に載っていた人物……その威風堂々とした雰囲気に、真奈美はゴクリと息を飲む。

ホムラ「お待たせ。君が風間真奈美君……だな?」
真奈美「は、はい、そうです! よろしくお願い致します!」
ホムラ「うむ。ま、掛けてくれ」

カウボーイ男に促され、一同は向かい合って着席する。

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そんな思いを巡らせていると、ドアが開き、二人の男が入ってきた。真奈美は慌ててその方に向き直り、一礼する。
一人は短髪でやや背の低い、眼鏡を掛けたスーツ姿の男。もう一人は、テンガロンハットを被り、レザーベストにジーパンという、いかにもカウボーイないで立ちをした、サングラスを掛けた男

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それらの写真は全て、フルカラーでプリントアウトされているが、所々で色褪せが生じている。恐らく相当昔に撮影したものなのだろう。
しかし、それらに写る男達の表情は、みな活き活きとした輝かしいものだった。

真奈美「もしかして……ここの社員って皆、地球連合軍の出身なのかな……?」

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