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【8】
まだ濃緑(ふかみどり)が一面に残る地面を区切る古びた木の柵。
その杭の1本に括り付けられた麦わら帽子がまるで旧友との再会を喜ぶかの様に、初秋の風に揺られながら何度も頷く。
ーーーーーおかえり。
ーーーーー遅いじゃない。
それは風の音か。
親友の声か。
『ゴメン』
私は返した。
「麦わら帽子」
夏、碓氷から霧積に向かう峠では麦わら帽子が風に飛ばされていて欲しい昭和な黒猫。
ところで僕も小さい頃、母に買ってもらった麦わら帽子を被ってた。霧の谷に飛ばされたわけじゃないのに、あの帽子どこにいったんだろう。