勇矢「私達は作り、戦い、守り抜いていく。誰もが幻想を叶えられる世界を、誰かが現実にも希望を見出せる世界を」

「…ハイドラ、そしてミヤガ!これがお前達には無い、力と覚悟…BNDDオンラインを愛するという事だ!!」

優奈「勇矢さん…」

勇奈「結構、熱い所もあるんだね」

望「格好良いな…」

0 3

サフィール〈…仮初めの力に縋った代償は、貴方様には重すぎた様ですね…〉

勇矢「BNDDオンラインという世界は…仮初めの力に頼らずとも、我ら一人一人に無限の可能性をもたらしてくれる世界です」

ゲシュペンストが地面に降り立ち、ハイドラを見据える。そして、勇矢が静かに語り掛ける。

(1/3)

0 3

勇矢が、映像越しに鋭い視線を向ける。

勇矢「…BNDDオンライン運営委員会、マクスウェル社、BNDDオンラインを愛する多くのプレイヤー達を敵に回すならば、相応の覚悟がおありでしょう?」

「…貴方が利用されただけであっても、その一連の行動は歴とした犯罪行為。ただで帰すつもりはありませんが」

0 2

ー現実世界ー

勇奈「さてと。優奈、あたし達は何をすべきだと思う?」

優奈「んー…フェイクライズメモリを使ったプレイヤーを探す事、かな」

「運営委員会の制限を無視してログアウトしたって事は、BNDDオンラインの中で捕まえるのは難しいよね」

勇奈「リアルのプレイヤーを捕まえるしかないか」

0 4




人物紹介

大鳥 静治

警視庁電脳犯罪捜査課に所属し、イレギュライザー犯罪の捜査・取り締まりを行う刑事。階級は警部。

やる気の無さそうな不真面目に見える態度を取っているが、実際は良識的で真面目な性格。

使用機体は指揮官用ブレイディハウンド。

0 6

ーBNDDオンラインカフェ〈ペルシュ〉ー

勇矢「ふむ…」

アミクスの連絡により、速やかに設立された第三者委員会の構成員名簿を確認。険しい表情を浮かべる勇矢。

信矢「一難去ってまた一難か…ほれ、コーヒー」

勇矢「ありがとう、兄さん」

アミクス〈これからどうするの?勇矢さん〉

(1/2)

0 5

勇矢「…分かりました」

「ですが…仮にG5課は解体される事になった場合でも、”例外中の例外”達の保護については引き続き模索する必要があります」

「その辺りはBNDDオンライン運営の内外を問わず意見を募り、慎重かつ綿密に検討すべきかと」

0 4

信矢「ま、プレイヤーとしての年期が違うって事さ」

望「うーん…BNDDオンラインカフェでのバイト…少し考えさせて下さい」

信矢「おう。君はまずリアルの方でリハビリしないといけないしな。焦る必要は無いさ」

優奈「望くんと一緒にバイトが出来たら、私も嬉しいな」

勇奈「…妬けちゃうなぁ…」

0 0

信矢「そりゃあ…自分の店を持ってから、弟やバイトの子達と一緒に店を守ってるんだ。鍛えてるんだぞ、俺も」

望「優奈さんも、〈ペルシュ〉でバイトをしてるんですよね?」

優奈「そうだよ。私は接客と調理補助、BNDDオンラインの監視員をシフト毎に分けてやってるの」

信矢「望くんもやるかい?」

0 0

望「…僕は、皆でBNDDオンラインを守っていきたい。いつか、何にも怯えずに楽しめる居場所にしたい」

「ルビー、ゼノ…それにレヴァイアが、穏やかに笑って居られる世界を作りたい。それが…僕の望みで、力の意味です」

「ゴウさんみたいに。皆で一緒に」

0 1





エピローグ そして訪れた黒白の夜明け

第二次救出作戦は、望と勇奈の帰還、そして〈ブラックアイス・フィールド〉の再構築を以て完了した。

春が訪れたかの様な彩りを見せる平原エリアで、作戦参加者達は何を思うのか。

0 7

有理沙「そういう事だ。第三陣は、BNDDオンラインの有志連合から選りすぐった少数精鋭が担当する」

勇矢「ですが…第一陣と第二陣が暴走の巻き添えを受ける可能性も、ゼロではありません」

静治「第三陣の動きにも注意する必要があるか。唯一の救いは、NPC共も暴走に巻き込めるかも…って事だな」

0 0

勇矢「…ご協力に感謝します。私はBNDDオンライン運営委員会所属、伊烏勇矢と申します」

軽く会釈をした勇矢が、クロムが差し出した手を取り握手を交わす。

有理沙「さて、取り敢えず状況の整理は終わったよ。次はこの状況をどう打開するかを、この私…伊烏有理沙が説明しよう」

0 0

勇矢「あれは、BNDDオンラインの深層に堆積した”イレギュライザーの断片”が寄り集まったものです」

「今は、勇奈さんの暴走と反イレギュライザー派の攻撃によって出来た穴から、次々と湧き出しています」

有理沙「個々の強さはさほどでもないが、とにかく増殖スピードが速い。このままではジリ貧だ」

0 0

ー〈ブラックアイス・フィールド〉ー

望「ふう…」

〈剣陣一刀流〉の型を一通り確認し終わったらしい望が、息を吐く。

静治「…驚いた。その剣、”ちゃんとした流派”だな?」

望「〈剣陣一刀流〉。BNDDオンラインの中で剣の頂点を目指した人…僕の師匠から受け継いだ剣です」

静治「大したもんだ」

0 1

有理沙「言い方は悪いかも知れないが、”ならず者の寄り合い”って事か…BNDDオンラインも広いなぁ」

アミクス〈そうね…ここといい、〈ディープ・サーバー〉といい…〉

優奈「…そんな中で出会った二人も、訳ありなんだよね?」

アミクス〈優奈、詮索は程々にしておきなさい〉

0 0

勇矢「どうにも、以前からキナ臭い何かが動いているようだったので…警視庁の上層部に情報提供した上で、BNDDオンラインの運営委員会に交渉してもらったんですよ」

静治「…はぁ…俺達は、一部のお偉いさんの勝手な命令に付き合わされた訳か…」

「各員、捜査中止。別命あるまで待機だ」

0 0

優奈「…必ず、望くん達と迎えに行くから…!」

ルビーとゼノにそう言い残し、優奈が〈ディープ・サーバー〉を離脱する。

ー〈ブラックアイス・フィールド〉ー

勇奈「…ここは、BNDDオンラインの上層か…」

望「…勇奈、大丈夫か?」

勇奈「うん。世界に触れても大丈夫みたいだ。…でも…」

0 3

???「そりゃあ、BNDDオンラインの中にいきなり黒い氷原が出来て、しかもそれがイレギュライザー犯罪によるもの…ときたら、普通捜査するでしょ?」

「あ、俺は大鳥静治警部。よろしく」

刑事B「大鳥警部、”事件現場”の様子は”外部協力者”の情報通りです」

静治「OK、適当に調べといて」

0 0





第二十八話 孤独な世界 孤高の道(サブルート前編)

ー〈ブラックアイス・フィールド〉ー

勇矢「第二次救出作戦が開始されます。各員は、〈ブラックアイス・フィールド〉周辺の警戒をお願いします」

1 10