エピローグ そして訪れた黒白の夜明け

第二次救出作戦は、望と勇奈の帰還、そして〈ブラックアイス・フィールド〉の再構築を以て完了した。

春が訪れたかの様な彩りを見せる平原エリアで、作戦参加者達は何を思うのか。

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有理沙「そういう事だ。第三陣は、BNDDオンラインの有志連合から選りすぐった少数精鋭が担当する」

勇矢「ですが…第一陣と第二陣が暴走の巻き添えを受ける可能性も、ゼロではありません」

静治「第三陣の動きにも注意する必要があるか。唯一の救いは、NPC共も暴走に巻き込めるかも…って事だな」

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勇矢「…ご協力に感謝します。私はBNDDオンライン運営委員会所属、伊烏勇矢と申します」

軽く会釈をした勇矢が、クロムが差し出した手を取り握手を交わす。

有理沙「さて、取り敢えず状況の整理は終わったよ。次はこの状況をどう打開するかを、この私…伊烏有理沙が説明しよう」

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勇矢「あれは、BNDDオンラインの深層に堆積した”イレギュライザーの断片”が寄り集まったものです」

「今は、勇奈さんの暴走と反イレギュライザー派の攻撃によって出来た穴から、次々と湧き出しています」

有理沙「個々の強さはさほどでもないが、とにかく増殖スピードが速い。このままではジリ貧だ」

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ー〈ブラックアイス・フィールド〉ー

望「ふう…」

〈剣陣一刀流〉の型を一通り確認し終わったらしい望が、息を吐く。

静治「…驚いた。その剣、”ちゃんとした流派”だな?」

望「〈剣陣一刀流〉。BNDDオンラインの中で剣の頂点を目指した人…僕の師匠から受け継いだ剣です」

静治「大したもんだ」

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有理沙「言い方は悪いかも知れないが、”ならず者の寄り合い”って事か…BNDDオンラインも広いなぁ」

アミクス〈そうね…ここといい、〈ディープ・サーバー〉といい…〉

優奈「…そんな中で出会った二人も、訳ありなんだよね?」

アミクス〈優奈、詮索は程々にしておきなさい〉

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勇矢「どうにも、以前からキナ臭い何かが動いているようだったので…警視庁の上層部に情報提供した上で、BNDDオンラインの運営委員会に交渉してもらったんですよ」

静治「…はぁ…俺達は、一部のお偉いさんの勝手な命令に付き合わされた訳か…」

「各員、捜査中止。別命あるまで待機だ」

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優奈「…必ず、望くん達と迎えに行くから…!」

ルビーとゼノにそう言い残し、優奈が〈ディープ・サーバー〉を離脱する。

ー〈ブラックアイス・フィールド〉ー

勇奈「…ここは、BNDDオンラインの上層か…」

望「…勇奈、大丈夫か?」

勇奈「うん。世界に触れても大丈夫みたいだ。…でも…」

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???「そりゃあ、BNDDオンラインの中にいきなり黒い氷原が出来て、しかもそれがイレギュライザー犯罪によるもの…ときたら、普通捜査するでしょ?」

「あ、俺は大鳥静治警部。よろしく」

刑事B「大鳥警部、”事件現場”の様子は”外部協力者”の情報通りです」

静治「OK、適当に調べといて」

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第二十八話 孤独な世界 孤高の道(サブルート前編)

ー〈ブラックアイス・フィールド〉ー

勇矢「第二次救出作戦が開始されます。各員は、〈ブラックアイス・フィールド〉周辺の警戒をお願いします」

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第二十七話 救える天才 救えぬ凡人

ーBNDDオンラインカフェ〈ペルシュ〉ー

信矢「(ーーー休みの時に悪いが、優奈ちゃん。有理沙を起こしてやってくれないか)」

…マスターさんにそう頼まれた私は、〈ペルシュ〉のサーバールームに向かっていた。

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第二十六話 表層の大罪 深層の贖罪

BNDDオンライン。真相を知らぬ者は、誰もがこの世界を”ゲーム”と呼ぶ。

真相を知る者は、この世界を”理想郷”と呼ぶ。

だが…真相を知る者、世界の創造者さえ知らない”現実”が、〈ディープ・サーバー〉にはある。

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G5課とは…

「BNDDオンライン」の運営を担うことになった「月夜見商会」が新たに設立した特別部署である‼️

「アイバ・ゴウ」を中心に多くの協力者と共にBNDDオンラインに迫る脅威に立ち向かうぞ‼️

https://t.co/U3ICNXEQvw

https://t.co/iUfsbmGX52

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幕間 帰還の為の前進

有理沙「…避けて通れなかった事は分かるが、君は些か無理をし過ぎだぞ?」

望「すいません、有理沙博士…」

有理沙「君を心配する人達との面会時間を設けたから、彼等にもしっかり説明したまえ」

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番外編:白ウサギと白魔女

BNDDオンライン メインエントランス

シホ「ふぅ…さて、今日はどんなミッションに挑みましょうか…?」

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ルビー「…いけません。これは由々しき事態です」

「この食生活が続けば、お二人の精神に悪影響が生じます。特に、ご主人には”実体”があるのですから」

望「そうなのか…?」

勇奈「そういえば…BNDDオンラインからリアルに戻ると、変にお腹が空いたり、喉が渇いたりするよね」

望「ああ…成る程」

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第二十二話 過去の幻想 今の現実

ーーーどうして?

まだ形を持っていなかった”私”にそう問い掛けていたのは、今はもう居ない”イレギュライザー”達だ。

どうして、力を持つだけで排斥されるのか。

どうして、力を正しく使う事も赦されないのか。

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幕間

""は町を見渡しながら歩いていた。彼女にとっては目に見えるのは全て新鮮な事であったのだ

"")そう言えば・・・あの人は何処にいるのだろう?あの時に聞いておけば良かったわ・・・ふふっ

まるでテレパシーで会話したような感覚に思い更けていると

https://t.co/l9GsDldRXq

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望「…その装備を使えば、さっきも楽勝だったんじゃ…?」

???「マスターが居ない状態だと、安全装置が機能して再物質化〈ダウンロード〉が出来ないのです」

「それとも、BNDDオンライン内のNPC全てに反乱を起こされるのが望みでしたか、”ご主人”?」

望「怖い事言うな…って、”ご主人”?」

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信矢「半年位前…BNDDオンラインの一部がイレギュライザー達に占拠された”イレギュライズ・キングダム事件”ってのがあった」

勇矢「事件の終息直前、電脳空間への甚大な負荷によって〈崩壊現象〉が発生しました」

「勇奈さんは、有志の協力者達が脱出する時間を作る為に戦い続け…消滅した筈でした」

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