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小川「そっか。お前はまだ、新米だから知らなかったんだよな…実は、このほむらワークスは元々、地球連合軍日本支部横須賀基地所属第234EXM特戦隊『エトランゼ隊』でね。その隊長や副長だったホムラとミリィが軍を抜ける際、この会社を起業するってんで、俺達もそれに乗っかる形で揃って退役してね」

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ホムラ「ハハハ……いや、すまん。確かに、社会的観点からすればお前の言う通りだが、良いんだよ、ここではこれで。何せ私が、そうしてくれって皆に頼んだからな」
真奈美「……?」

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しばしの沈黙。すると、

ホムラ「……プッ、クッフフフ……アハハハ……」
ミリィ「ハハハハ……」
小川「アハハハ……言うと思ったぜ。アハハハ……」

これにつられて、他の連中も笑い出す。

真奈美「な、何がおかしいんですか!?」

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ミリィ「まぁ量産するんなら、設計をやり直すか、バイロンのパーツを使うか、だな」
ホムラ「くっ、簡単に言いやがって……もう少し予算出せねぇのか? まだ余裕あったろ?」
ミ「無いから言ってんだろうが!」

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ミリィ「この間設計したやつ、ほとんどサイラス製パーツばっかりだったから、額も格段に上がってるぞ。加えて、マクシオンのパーツもかなり高騰化してるんだからな? その辺りも考えて設計してくれないと……」
ホムラ「うぅ、痛ぇなぁ~。まぁサンプルを作るだけなら、何とかなるだろうけど……」

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ミリィ「おぅホムラ、ここにいたか。今週分の見積もりが出来たぞ」
ホムラ「(書類を受け取って)うむ……って、高っ!! お前これ、間違いじゃねぇのか!?」
ミ「全然正当な額だよ。お前、サイラスのパーツが高騰化してるって事を忘れた訳じゃないだろうな?」

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ホムラ「今から用意するとなると、大凡3週間は掛かるかもしれん。なんとか引き延ばして貰ってくれ」
小川「そっか……ま、それならしゃ~ねぇな……解った」
真奈美「……」

そこへミリィがやってくる。

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小川「あ、ホムラ、今度俺が行く小此木さんの所なんだけどさ……どうもウチの例の頭部パーツを10個ご所望みたいでな……」
ホムラ「いつまでだ?」
小「急ぎって訳じゃないけど、2週間後には欲しいっつってる」
ホ「う~ん……そうは言っても、アレ自体がもぅ在庫無いからなぁ……」

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ホムラ「そうか。ま、今後に期待だな。それと、例の洗濯機の方はどうなってる?」
トニー「うん、結構煮詰めて、洗濯槽や水道装置の方は何とかサマになったが、AIの方は翔太のプログラム待ちってとこだ。その辺りも含めて、もう少し改良を重ねてみるよ」
ホムラ「ああ、頑張れよ」
トニー「サンキュ」

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トニー「あ、そうそうホムラ、こないだ発売したウチの『サイクロンジョーカー』だけど、早くもレビューが上がってたぜ。吸引力抜群で、AIのサポートもあるから、老人でも使い易いってさ」
ホムラ「そりゃあ良かった。他には?」
ト「あとは、アタッチメントも豊富でありがたい、ってくらいかな?」

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翔太「あ、しゃちょ~、その新機体用のOSなんだけど、火器管制の部分のデバッグがまだなんだ~。もうちょっと時間くれるかなぁ? そこさえ終われば、あとは組み込むだけだからさぁ~」
ホムラ「解った。急げよ?」
翔太「ほ~い」
真奈美「……」

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ホムラ「まぁ一つだけ明かすなら……今回のこれは『着せ替え』が出来るシステムを導入してあるんだ。今度また、機会があれば教えよう」
真奈美「はい! 楽しみにしてます!」
小川「(懐を探って)…ありゃ、切れちまったか。ホムラ、悪ぃ、一本くれ」
ホ「あいよ」
小「サンキュ」

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ホムラ「ああ。よろしく頼むぜ! ようこそ、ほむらワークスへ!!」
真奈美「はい! こちらこそ、よろしくお願い致しますっ!!」

ホムラと真奈美は、互いに笑顔で、ガッチリと握手を交わした。
その大きく熱いホムラの手に、真奈美は驚きつつも、よろしくとばかりに力強く握り返した。

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真奈美「えっ? あ、は、はい……」

ホムラはミリィにアイコンタクトで、良いか?と問い、ミリィはそれに大きく頷いた。

ホムラ「……良いだろう。明日の1430時、もう一度ここに来い。その上でまず、色々説明をして、君に何をやって貰うかを決めよう!」
真奈美「えっ? そ、それじゃあ……」

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ホムラ「痛ってぇな。どこだって良いだろ、別に……」
ミリィ「ったく……」
真奈美「???」
ホムラ(ふむ……パッと見、Fってところか……)

怪訝な表情の真奈美をよそに、少しニヤついていたホムラは、オホンと咳払いしてから、

ホムラ「……風間。いや、真奈美、と呼んで良いか?」

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ふと、ホムラは立ち上がり、色々考える素振りを見せて真奈美に歩み寄る。その華奢な肩に手を置き、驚く彼女の眼差しを、サングラス越しに見つつ、

ホムラ「……良い眼をしている。度胸も良い(視線を真奈美の胸元にさり気なく向けて)……良い感じだ!」
ミリィ「おぃ! 何が『良い感じ』なんだ?」

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真奈美「……それからですね、私がEXMのパイロットになろうって思ったのは。戦うだけでなく、人型である故に、被害を受けた人々を助ける事が出来る力を持っている……扱うパイロット次第ではありますけれど、EXMにそんな魅力を個人的に感じてます」
ホムラ「ふむ……」

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ホムラ「いや…驚いてたんだよ。君のような可愛い女の子が、まさかそこまでド真剣に、自身の今後に対する決意と覚悟を持って、ウチに来てEXMパイロットにしてくれ、って志願してきた事に、な……」
ミリィ「ああ、俺も驚いた。そこまで強固に考えてるのには、何か理由でも? そんな感じだが……」

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捲し立てる真奈美に、ただただ唖然とするホムラとミリィ。そうして1分……二人の様子に、ハッと真奈美は我に返る。

真奈美「あっ……ご、ごめんなさい……私、面接の最中だってのに、なに変な熱弁を……」

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真奈美「そこまで自惚れるつもりもないですけど、そんなテロや災害とかの脅威から、友達や家族、或いは住んでいる所を守れる力がEXMであるというのなら、私はそれを使ってそれらを守り、助けたいと思っています! これはいけない事ですかっ!?」
ホムラ&ミリィ「…………」

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