# 短歌

199.
ああ待ちに待つか夜中の通り雨
嫌だ嫌だと闇も明るく

1 8

198.
夜もすがら果たして今にどれだけの
一生の一部があるだろう

0 7

197.
どれだけの価値があるのかこの時期に
今だ出口は見えていないが

0 7

196.
何事もなくただ単に淡々と
ひとりだから休日が嫌なの

0 7

195.
思い出すどの思い出の私にも
蛇足という名が似合っている

0 5

194.
そっちのが幸せじゃない?私だけ
いない私達の世界線

0 6

193.
いつの日かにそれがあると一歩づつ
日がなその日を探り探りに

0 4

192.
私と彼女にとっての物と者
絶対的な親というもの

0 3

191.
「ぜいこみ」と表記されてるメニュー表
意味より先行するかわいさ

0 2

190.
笑ってる自分の写真に笑いかけ
「私も今楽しい」とか言う

0 5

189.
喜びよりも悲しみに共感を
しようと思案して泣いてんの

0 5

188.
心臓と手足四つの証明に
通知を切ったInstagram

0 2

187.
辛いのは辛さの意味が分からずに
泣くことすらもできてないから

0 4

186.
ちいかわの首を真顔で括ったか
ゲームセンターの従業員

0 3

185.
会えなくて残念だけど会えないと
返事が届く距離がよかった

1 6

184.
そこにある項垂れたとても小さな
ショートケーキが私そっくり

0 6

183.
悲しみでしか書き得ない詩があって
失うことも厭わなくなる

0 7

7/12
目が覚めてあっちの明日を迎えたら
あなたのままで在れますように

0 4

182.
ずぶ濡れで帰る彼らに晴天の
夕暮れ伸びる影と足跡

0 2

181.
今を越しこれで後は寝るだけだし
足元に風走り出す故

0 4