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信矢「お待たせしました、ご注文のカプチーノになります。ごゆっくりどうぞ」

結弦「ああ、ありがとう」

勇奈「成る程ね…あたし達も見習わないとだ。ねぇ望?」

望「見習うかはともかく…そうだな。僕もいつかは、誰かの為に約束を果たせる人になるよ。絶対に」

信矢「…頑張れよ、少年少女」

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有理沙「…こうして、私達は家族になったんだ。信矢はね…孤独は自由とイコールではないと教えてくれた」

「彼は、天才の私に何かを教えられる人間だった。だから、一緒に居たいと思えたんだ」

優奈「…素敵ですね」

有理沙「ふふ…君も、望くんに白兎印の牛乳飴を渡して貰える様になりたまえよ?」

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結弦「この店の開店には、私と私の妻もささやかだが助力していてね。ここの備品は私達のプレゼントなんだ」

望「そうだったんですか…家族仲が良いんですね」

結弦「信矢は手間の掛からない子だったが、大学卒業の時に喫茶店を開きたいと言ってきてね」

「…子の真剣な願いに、応えたくなったのさ」

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信矢「…こんなタイミングで来るとは思ってなかったよ。それで、ご注文は?」

結弦「では、カプチーノをお願いするよ」

信矢「畏まりました。少々お待ち下さい」

父親だろうと、注文をしたなら客の一人だ。気を引き締めて、カプチーノを淹れ始める。

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信矢「…こうして、俺は有理沙にプロポーズした。そして、約束を果たす為に動き出した訳だ」

「大学を卒業してすぐに調理師専門学校に行って、バイトをして資金を貯めて、それでも足りなかったから、父さんに相談してなぁ」

???「ははっ、懐かしい話をしているな」

信矢「おっ、いらっしゃいませ」

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「僕が推しと付き合ったら」8P全体公開

「俺の推しがコンビニにいる!」シリーズの小谷くんと星矢くんの長めのお話。憧れの推しと付き合えたはいいけど…。

初回は全体公開です。次回更新は9月17日(土)。
ご支援くださっている方、ありがとうございます。

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信矢「俺が勝手にお節介焼いてるだけだってのは、自覚してたからな」

「何より…そんな日々を送るうちに、あいつが心から唸る様な飯を作りたい…って目標が出来たんだ」

勇奈「その結果が、”ここ”?」

信矢「そう、この店だ。俺一人の夢と約束と我が儘でここまで大きくなった、俺達の”止まり木”さ」

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ー〈ペルシュ カフェコーナー〉ー

信矢「…色々、思い出しちまったな」

勇奈「有理沙博士とのあれこれ?優奈が興味津々みたいだけど」

望「勇奈…以心伝心だからって、盗み聞きは良くないだろ…」

勇奈「心の中に聞こえてくる声に耳栓なんか出来ないし、仕方ないだろ?」

「それで、その後は?」

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有理沙「…とまぁ、そんな感じの出会いだった。その時は、奇妙な物好きが来たもんだ…としか思ってなかったが」

優奈「何というか…マスターさんは昔からマスターさんだったんですね」

有理沙「君も信矢のお節介に助けられたんだっけ?」

優奈「はい。ここに来たばかりの時に、街を案内してくれて」

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包装を剥がし、乳白色の飴を口に含む。濃厚な甘さが口の中に広がる。

優奈「……」

有理沙「んむ?興味津々かね?」

「しかし、君にはちょっと早いかな?これは恋の味なんだ」

優奈「こ、恋…ですか…!?」

有理沙「そう、恋だ。私と信矢の今に繋がった恋。始まりは9年前。私が大学生の頃だった」

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優奈ちゃんに注文の品を乗せたトレーを渡すと、注文が途切れて少しの余裕が出来る。

店内を見回すと、笑顔を浮かべて飲食を楽しむ人達。

信矢「(…始まりは俺のワガママだったのが、思えば遠い所まで来たもんだよなぁ…)」

───そして俺は、この”止まり木”を育てると決めた切っ掛けを思い返す。

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そう言い残して、有理沙は〈ペルシュ〉の奥…サーバールームに引っ込んでいった。

優奈「有理沙さん、大変そうですね」

信矢「まぁ、仕事が仕事だからな。ほい、ホットケーキ、シフォンケーキ、アイスコーヒー2つ」

「それ出したら、有理沙の所に行って良いぞー」

優奈「はーい!」

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───カランカラン。

優奈「いらっしゃいませ…あれ、有理沙さん?」

有理沙「やあ、丁度良い所に居たね優奈君。信矢ー、優奈くんを借りても良いかね~?」

信矢「もう少し待ってくれ、次の注文を捌いてから行かせる。有理沙は何か頼むか?」

有理沙「今は良いよ、サーバールームで作業するから」

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店内には、マスターの俺に、今日は接客に入ってもらっている優奈ちゃん。

そして…客としてやって来た望くんと勇奈ちゃん、顔馴染みの常連さんが何人か。少し、見る顔が増えたかな?

優奈「マスターさん、ホットケーキ1つ、シフォンケーキ1つ、アイスコーヒー2つです」

信矢「あいよ、承った」

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第三十一話 一人の追憶 家族の展望

ーBNDDオンラインカフェ〈ペルシュ〉ー

───最近は、酷く騒がしい日々が続いていた。

優奈ちゃんの事、望くんの事、”黒い氷原”の事、そしてG5の解散騒動…。

信矢「ホント、色々あったよなぁ…」

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