イカロス

超音速高高度飛行競技「Luminal Speed」の選手として調整されたシンカロン(Think alone, 汎用人型アンドロイド)を,イカロスと呼んだ.

機械の翼を背負い,音すら置き去りにして,彼女らは飛ぶ.踊るように.歌うように.
音速の先,空の果てに,何かを見出しながら!

5 28

晴天アポカリプス チームC
爆炎ブルース Part. 1セーブ!
明日からPart.2!爆炎が始まるよ!

3 12


軍用人型歩行兵器,通称シンカライ(Sync Ally)

20 113



「危ないよ」
不意に聞こえた声の主は,数瞬後,抱えた2連装ガトリングガンを掃射し,眼前に迫っていた怪物どもを追い払った.

「立てる?」
事もなげに私に問うてきた彼女を,困惑と恐れを抱きながら,見上げるしかなかった.

3 17



バトラー型シンカロン(Think alone, 汎用人型アンドロイド)

「所有権限者の危機的状況といった有事の際のやむを得ない正当防衛戦闘」の為に様々な護身武装が開発販売された.
特に回転鋸やチェンソーの類は人気を博し,富裕層コミュニティではその大きさや出力が競い合われていた

25 101



人工知能の発展の末,世界には2つの到達点が誕生した.

個人としての完成を目指し,人類の隣人となったアンドロイド,「シンカロン(Think alone)」
人間と共在することで戦場を支配した人型兵器,「シンカライ(Sync Ally)」

共に世界を変え,人類文明は黄金期を迎えた.

3 24



バトラー型シンカロン(Think alone, 汎用人型アンドロイド)

万能粉砕刀 D-Crasher

書類上では「庭園岩石等硬質障害物除去作業補助道具」とされる,大質量刀.

刃はついておらず,安全性を全面に押し出した広告で大ヒットした.
破砕対象トップは「正当防衛時戦闘対象」

65 359



広域殲滅焼却砲装備
バトラー型シンカロン(Think alone, 汎用人型アンドロイド)

彼女らの兵装はあくまで「自衛用」の名目で運用されており,大型化や高火力化が進みながらも,それらは全て「家事用機材」の名の元で製品化されていた.
焼却砲もその一つで,書類上は園芸用品である

49 257




ニューサンフランシスコで行政官を務めているシンカロン(Think alone, 汎用人型アンドロイド)
中央アメリカエリア,大陥没孔の調査を計画しており,大陸東海岸との連絡復旧を目指しているようだ.

元々治安維持用の機体だったが,今は換装し書類仕事に最適化されている

1 3


 

バトラー型シンカロン(Think alone, 汎用人型アンドロイド)

終末事変直前に製造され,そのまま出荷されずに地下工場で暮らしていた.
その後,地上に人々が戻り,工場が発見され,あなたは世界を初めて目にした.

今は,未だ見ぬ「ご主人」の元へ向かう旅をしている.

1 4




旅人

終末事変の直後,アフリカ大陸に現出した標高1万メートル超の山嶺,通称「穿天山脈」を調査する地質学者.
これまでに何度も穿天山脈の登頂を試みているが,未だ成功しておらず,現在はニューモンバサで装備を整えているようだ.
登山動機は謎に包まれている

2 7

—— 風が吹いていた.少し冷たく寂しい,夏の夕暮れの風が,点在する瓦礫,かつての文明の名残の間を抜けていく.
ニュー北京の喧騒も遠く,この草原は静寂を求める者にとってのオアシスだ.

ノノと呼ばれた少女もその1人のようで,夜になろうとする天頂を愛おしげに見つめていた.

0 6

—— 「…我ら,徹底的自由平等民主主義貫徹戦線は,かの資本占有主義者の牙城,ニューロンドンを破壊すべく…」

広場で演説する者達を横目にジョーゼフは先を急いだ.

「先遣隊の最終報告は3日前.まだ生きてりゃ良いんだがな…」
鍔広帽を被り直し,彼はセーフハウスを目指した.

0 1

—— カシャ,カシャン
無人の館に硬質金属が床と擦れる音が響く.

「…なんだァ?」
スラッシャー達は手に持った金品をしまい暗闇を見つめる.

不意に,廊下を埋め尽くすばかりの火炎が放射された!
「侵入者を確認.先制自衛権行使開始
私有地内につき報告義務はございません」

10 48



バトラー型シンカロン(Think alone, 汎用人型アンドロイド)

78 484

—— 「それで,この後どうスンの」
メイは旅支度をしながらぶっきらぼうに聞いた.
「どうって言われてもなァ...」
「暇なら,ウチと来る?」
「エ?」
「ニューデリー.ちょっと遠いからさ」
「...考えてみる」

次第に小さくなる2人の会話は,夏空の下,誰が聞くこともなかった.

4 13

—— 煤混じりの雪が赤く照らされ,ニューデリー北西部の山岳地帯は砲撃音轟く戦場と化していた.

「急げ急げ!」
機動装甲に身を包んだニューデリー防衛軍兵士が死に物狂いで行軍する.背後で爆発.幾つかシグナルが途絶える.
越夜隊の旗を踏み躙りながら,兵士達は尚走り続けた.

3 17