三月や ふうわりソフトランディング


Giovanni Battista Tiepolo - La Verità Svelata Dal Tempo (1745)

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雄猫の戻らず二月果つる也


→也(なり)

*Love Lost / Mattia Cupelli
https://t.co/VOTkEaNCaf

*堀文子《月と猫》1950年頃

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罰として撒き散らされる杉花粉


→撒き散らす(まきちらす)

*This Is The New Shit / Marilyn Manson
https://t.co/aaOdiZJVfM

*エゴン・シーレ《母と子》1914年 レオポルド美術館

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並び咲きチューリップには影がない


*VROOOM / King Crimson
https://t.co/CeIj8GlZrM

*パメーラ・ジューン・クルック《他人の母親の息子》1991年 帝国戦争博物館

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北窓を開けば変な奴と目が


*Sense of Doubt / David Bowie
https://t.co/qHSl7kBQww

*エゴン・シーレ《縞模様の腕章を持つ自画像》1915年 レオポルド美術館

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始まりと終わりが同じ春の夢


…世は去り世は來(きた)る。地は永久(とこしなへ)に長存(たもつ)なり。日は出(い)で日は入(い)り、またその出(いで)し處(ところ)に喘(あへ)ぎゆくなり。
(コヘレト 1:4-5)

*マイルス・ジョンストン タイトル不明 制作年不明

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水彩の少女がにじみだす雨水


→雨水(うすい)

*Show Me How / Men I Trust
https://t.co/txx75SmV7H

*いわさきちひろ《首をかしげる少女》1968年

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跪き頭を垂れよ玉椿


→跪く(ひざまずく)、頭(こうべ)、玉椿(たまつばき)

* I beg you / Aimer
https://t.co/ox9Dvidf68

*エゴン・シーレ《オレンジのドレスでひざまずく女》1910年 レオポルド美術館

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あのとき助けてもらった蛤だ


Alceste Campriani - Sul Pontile

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髭面の兇賊戻り春遅々と


→髭面(ひげづら)、兇賊(きょうぞく)

*A Wolf At The Door / Radiohead
https://t.co/tYzmXfRBNf

*テオドール・ヒルデブラント《強盗》1829年 ベルリン美術館

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公魚を独り取り出す穴暗し


→公魚(わかさぎ)、独り(ひとり)

*You Standing There / Jandek
https://t.co/U9sDKjUFQA

*フランシス・ベーコン《自画像》1971年

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節分や恵方の指は定まらず
残るのは毎年のこと恵方巻

2023 No.13.14
昨日はご多聞に漏れず恵方巻を戴いたのですが、我家は東西南北のいずれかにきっちり向いていないので、南南東って👉あっちだよこっちだよと説が分かれまして。そして今日は立春…毎年思うのは「一年は早い」

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沈黙に冬の名残りの風の音


…いやいいんだ、と人は言う、たいしたことじゃないんだ。風の音だけがあたりを被う。たいしたことじゃない。ひとつの季節が死んだだけだ。
(村上春樹『1973年のピンボール』)

*季節は次々死んでいく / amazarashi
https://t.co/AvqbNUorxo

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祝杯をあげよ、冬が尽きるのだ


*Verdi: La Traviata - Libiamo, ne’ lieti calici(乾杯の歌)
https://t.co/ilSxBpDG2n

*トマス・コール《タイタンの酒杯》1833年 メトロポリタン美術館

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三ヶ日初場所も過ぎ一月行く

「一月行く」といいますが、ほんとに速い。もう尽日です。

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冬深むほどに人類が歪む


→人類(サピエンス)、歪む(ゆがむ)

*Storm / Yaffle feat. KARÍTAS
https://t.co/TA5KgEAzJ1

*カルメン・デラコ《誕生 Ⅰ 》2006年

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凍死者の遠く近くに寒鴉


→寒鴉(かんがらす)

*Chopin: Piano Sonata No.2 in B flat Minor, Op.35 - 4. Finale. Presto / Maurizio Pollini
https://t.co/MAI4pBym5F

*ヨージェ・ティスニカル《葬列》1974年

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白鯨となるまで深く沈もうか


*人力飛行機の為の演説草案 / J・A・シーザー、寺山修司
https://t.co/5WvRGmbH3x

そこには日日の命令も
エイハブ船長の鯨狩りもなく
マルコポーロの羅針盤も
弾薬もないだろう
外面的集団化も
キルリー鳥もなく
記述されるべき歴史も王もいないだろう

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粕汁を待っている間の物憂さは


Sandro Botticelli - Annunciazione Di San Martino Alla Scala (Detail) (1481)

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