こは何ぞ鴉夜鳴きか夜半の冬

8 50

もう明日は要らぬと思う小春かな

(つまり満足の極みということです。)

5 44

栗飯を今年最後と
食うてをり
十月も今日尽日ならば

すみません。絵を使いまわしました。

5 37

生き残る虫の声ひとつ
つわものと
 思えどそれが哀れ呼ぶ庭

11 53

スマホ首起こして仰ぐ秋高し

11 47

灯火親しプラス缶ビの極楽か

9 45

空き家の庭伏せたままなる
つくばいに
 昔忍びつ宿る朝露

6 29

不快なら夜長と言わず
心地よき
 夜に限りて夜長てふなり

4 48

棘なくば如何に生きしや秋薊

7 41

庭下駄に蜻蛉一号とまりけり

10 46

ハンモックも射程にはいるテレワーク

2 45

水打ちて仰げばうれし朝の山

5 39

塩焼の鮎食いをれば
 座敷へと
  とんぼ舞い込む爺さんの家

5 41

風凪ぎてまくなぎ出でて風呂を焚く

7 32

窓光り雷鳴激し
 夜を寝れば
  悪夢吉夢が相半ばする

4 40

衣更えズボン縮むのミステリー

8 49

籐椅子に座る姿の
 人形の
  老いざるもまた悲しからずや

6 52

金魚鉢見て見ぬ振りで猫通る

8 50