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銀河フェニックス物語<出会い編> 第三十九話(28)決別の儀式 レースの途中に
『兄弟ウォール』を阻止できそうだ、とオットーはガッツポーズをした
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“ カーペンターは俺の飛ばしにさんざん文句をつけた。
「俺が何を聞いて操縦してるかちゃんと見ろ」
「はあ? 聞くのかよ? 見るのかよ?」
あの頃の俺は意味がわからなかった。だが、今の俺はわかる。口下手な師匠が話していたことの意味が。”
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レイターは10歳のころにS1コースを飛ばしたことを思い出していた
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ピットの会話はレイターにも聞こえていた。肌感覚か。懐かしいことを思い出す。
誰にも言ってねぇが、ここナセノミラのコースは昔、無免許で飛ばしたことがある。
俺は十歳だった。
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“「あいつはシミュレーターで何度もコースを飛ばして研究してたからな」
「いや、これはシミュレーターでは出てきません。実際に飛ばし込んで見つける肌感覚の領域です」
「肌感覚?」
アラン・ガランは面白い表現をする。”
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“「すごいですよ」
助手のオットーがモニターを見ながら感心した声をあげた。
「計算値よりハールに負荷がかかっていない。どうしてこんな飛ばしができるんだろう? レイターさんってきのうの練習飛行で、初めて、ここのコース飛んだんですよね」”
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“戦闘機を飛ばしていたころ「銀河一の操縦士になってS1で優勝する」って俺はあいつに何回言っただろう。
将軍家を継ぐことしか未来がなかったあいつは、うらやましそうに俺を見てた。きょうがその舞台だ。
アーサー、素直に礼を言うぜ。”
#銀河フェニックス物語 第三十九話
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“「飛ばしが進化しています」
「進化?」
「小惑星帯の速度がじりじりと上がっているんです。扱いにくい直線番長の暴れ馬を、レイターは今この本番で調教しています。技術的な課題を操縦のテクニックで凌駕している。文句なしに銀河一の操縦士です」”
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