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オオカミの華麗なる、かかと落としが燼の脳天に決まった。
心のこもっていない笑顔がショーマに向けられた。
『狼の肉ステーキ』
ゴフッといううがいする時のような音と一緒に口から勢いよく鮮血が飛び散る。
目からこぼれ落ちる涙をごまかすように笑った。
どこをめくっても赤黒い色彩が”生きていた”という証拠を残している。 絵の具が使ってあるものでも鉛筆だけで描かれたものも“死”を描いていた。
「ショーマ!ボクを置いて行くなんて!」 廊下の先からネメムが駆け寄ってきた。
「バタフライピーか」 ぐいっと燼がその紫色になった紅茶を飲んだ。
薬が切れ始め、幻聴や幻覚、耳鳴りに狂わされる前に再び摂取しなければ。と。
そのまま椅子から落ちそうになった空笑の肩を慄が支えた。