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藍本は一度自分を落ち着かせるように目を閉じて、開いた。
その顔は、目は、もう絶望していなかった。
生きた意味はあるはず、これからの自分の使命。過去にすがりたい気持ちはあるが、それでもと彼女は笑う。
芸民具の脳裏には、密かに恋慕を募らせる対象の朱鷺雅と過ごせる島での暮らしが過ったようだ。
それでも「帰るべきだ」と思ったのだと、彼はいう。
桜小路は驚き、芸民具を見る。片恋を打ち明けた芸民具は、少し気恥ずかしそうにしていた。
芸民具も「脱出しましょう!」と強く声をあげた。
朱鷺雅はそれを聞いて、とても嬉しそうな顔をした。桜小路に同調し、声をあげる。
王たる彼には帰らねばならない場所がある。
そして同じように、外に出ようと皆に告げた。
そしてその宣言を聞き、芸民具はふっと、困ったように微笑んだ。
事故なのだから、処刑する必要はないといい募る面々。しかしモノテレビは淡々とショーを展開するだけだ。
いつも明るかった魚谷は、死の直前も桜小路に笑顔を向けることはなかった。謝罪も口にできず、彼女は俯いていた。
焦げ付いた嫌な臭い。
すっかり様変わりした台所、その真ん中で、達峰が倒れこんでいる。
爆心地と思われるガスコンロから高梨を遠ざけようとしたのだろうか。
位置的に彼女を庇うようなものだった。
幻生は最期、枕邊への謝罪を口にするのみだった。彼の中に捨てがたいものがあるようにも見えたが、口を閉ざした。
そしてコロシアイTVのショーとして、オシオキされてしまった。