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玉屑舞う山の峠の荒ら屋で、私は死の間際に訪れる幻覚に苦しめられていた。発熱したのは十日前。床を共にした娘は肺炎だと疑い逃げてしまった。だがその夜彼女は戻ってきた。「薬をもらってきたの」愛しい彼女に抱き抱えられて胸が軽くなる。手に薬など持たない娘は旅立ちの逆光に染まっていた。
先輩は無駄な才能を多く持っている。ラテン語はペラペラだけど、英語はダメ。論理学の論文は読めても、九九は苦手。射撃が上手で、料理は下手で、男なのに化粧に詳しく、ファッションはダサい。残念だらけ。恋愛も成功していない。「女心はわかるんだけどね」先輩は肩をすくめる。「でもゲイだから」