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「この帽子は、私が逃げ出した時に持ってきた──」
「被るとバカみたいだから、あなたも要らないかも、って」
「……行こう。晩御飯を作らなきゃ」
帽子を被り、日常の中へ戻っていくアとウンのシーンで三話は終ります。
一晩過ぎた今でも信じられないほどビターで尾を引いています。あまりにも。
生者であるウンたちは背景が光に満ちており、滅びに向かうムンの後ろには闇。そしてその闇に向かい歩くムンのカット……
ただ死を暗示しているという風にもとれますが、ムンの手紙の内容を鑑みると彼女がウンと過ごす日常には戻れないまま事切れる事を客観視し、諦観している様な描写にも見えます。
リー探偵事務所三話のクォリティがすごいって話をします。
まず開幕の雨天表現が上手すぎ凄すぎ。看板から滴り落ちる雨粒、レイアウト、台詞の間の取り方と行間と、何から何まで前の二話までのギャグパートありきの作り方とは全く違う。