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ケンタウロスちゃん8 2/2
彼女は、厩務員の最後の様子を正しく誤解した。
絶望と怒りに任せ暴れたが、吊られた身体では大きな効果はない。
「軍馬の訓練をしてみないか? 君の資質を証明しよう」
他に選択肢はないように思える。
心が黒く塗り潰されるのを感じながら、彼女は頷いた。
ケンタウロスちゃん6
人語を理解する彼女は、馬の何倍も覚えが良く、訓練は順調に進んだ。
幾日かすると、脱走防止の足枷のみで、水浴びが許された。
2週間分の体臭はひどかったが、厩務員はブラシで懸命に身体の汚れを落としてくれた。
今後は毎日してくれるらしい。
彼女の楽しみがひとつ増えた。
ケンタウロスちゃん5
翌日、早速訓練は休みとなり、彼女は鞍の調整を受けた。
本来、ケンタウロスは人を乗せることを嫌うが、この厩務員は別だ。
身体を固定され、手綱と鞍がくくりつけられる。
「少し苦しいかもだけど、明日から一緒に走ろうね」
厩務員に背中を撫でられ、彼女は嬉しそうに頷いた。
ケンタウロスちゃん4
「今日もたくさん頑張ったね」
「あの訓練のやり方は厳しすぎる」
「でも、私はあなたが立派に活躍できると信じている」
「実は、私は調教師の資格も持っている」
「もし私が背中に乗ることが嫌でなければ、教官を代わるようお願いしてみる」
彼女は頭を垂れて頷いた。
ケンタウロスちゃん3
コースに連行され、ケンタウロス族を教官として訓練が開始された。
拘束されて状態では走る事は難しいが、速度が落ちると罵声と鞭が飛んでくる。同族の敵意にも近い訓練は、彼女の心を蝕む。
視界の外から襲う鞭の痛みと罵声に恐怖し、彼女は息切れの苦痛を堪えて走り続けた。
ケンタウロスちゃん
山で捕らえたケンタウロスは暴れたり言うことを聞かなかったりする事が多い。
反抗的な態度が抜けない者は、手を拘束し、舌を縛り、シャドーロールとブリンカーで視野を狭めて強めの調教を施す。
飲食はスタッフの手で与え、愛情を持って信頼関係を築くことが大事である。