Sawさんのイラストまとめ

『レーダー照射だ。ロックオンされるぞ』

白い機体──ソーンの愛機“ケストレル”──のKARMA“TARS”が注意を促す。

「避けきれるだろ？」
『当然だ』

これまで幾度も改修を繰り返してきたケストレル。
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「あれは……」

ワームホール。

少し前に自分たちも通った。それと同じようなものからヘキサギアが現れた。
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「アイツも謎だよなあ……」

２人を追い、ソーンも走り出した。
#甘い復讐SS_B

「あっ……いや。向こうに居る男の声、知り合いのような気がしただけで。……多分、気のせいです」

「ふぅん……。」

フィムはじっとソーンの目を見詰めた。探るように。

フィムの瞳の持つ、言葉にできない“圧”。
ソーンは居心地の悪さを感じながらも、じっと耐えた。

『味方を……った…というのは……ますね』

男の声が続ける。

名前もわからない。顔もわからない。
だが確かにこの声を、この口調を“知っている”。

「ソーンくん。」

一拍遅れて背後からの声に気が付き、振り向いた。フィムだ。

「なにか気になることでも？」

炸裂音。続く味方の怒声。

そして──

『レイウォン……区はもう……ですか。仕方な……ね』

通信機を通して聴こえた男の声。

(この声……聴いたことが？)

声そのものに覚えはない。
だが喋る速さ、言葉の間、抑揚──。

それらには確かに覚えがあった。
#甘い復讐SS_B https://t.co/zMbvdh6O3q

疎らになっていたオルガンを掃討しつつ、屋内の声に耳をそばだてる。

その時、一際大きな影が家の外壁を破壊した。
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後方のフィ厶たちに向かって行く虫も漏らさず撃ち落としていく。

フィムは虫など存在しないかのように、砕けた破片にさえも反応を見せず、目を伏せ待っていた。

虫の殆どが駆除され、通りの喧騒も落ち着いてきたその時、屋内から発砲音が鳴った。
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パニックになった住民たちが通りを逃げ惑う中、フィムはそれらを全く意に介さない様子でついてきている。
ただアルはというと、フィムのピッタリ後ろに付きつつも、住民を気にするようにキョロキョロと頭だけ動かしていた。

彼女は武器はおろか、アーマーさえ纏わずにいた。

「私はアルくんが守ってくれますので、ソーンくんは気にせず戦ってくれていいよ。」
ニコリ。と笑みを見せるフィム。

「ハハッ……了解！」
デッキで合流した時点で察していたソーンは、フィムを振り返ることなく前に歩み出る。