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あとパン屋! てめえもだ! なんだよ店に入ったとたんにえもいわれぬ爽やかないい匂いさせやがって!
あのパンを出せよ! どこにあんだよあの匂いのパンが!
絶対に期待を消化できずに、毎回いらいらする。
店に入った瞬間が一番美味いって、なんなんだよ!
近所の塩とんこつラーメンの店。前を通ると凄いいい匂いがしてやばい。でもいざ入って食べると別においしくはない。
店の前を通るたび、あの匂いによだれが出る。でもおいしくはないんだよ!
俺はそれを知ってしまってるんだ!
どうしたらいいんだよ!
わかってくれこのもやもや
しかし、この占いは結果的に的中し再回収されることになる。レトリックとしての「胸に空いた穴」として。寄生獣田村がとっさにシンイチが自ら殺した母親の姿に変身することで、日常から逸脱したまま涙を失っていた彼が涙(人間性)を取り戻すシーンにつながった。様々な伏線がこの1シーンに収束し、
もうひとつがこれ。辻占い師のおばさんに「あなたの胸に空いた穴をふさぐにはそれを開けた相手にもう一度会うのよ」と言われたシンイチが言い放った場面。
占い師の言う「胸に空いた穴」というレトリックが、彼にとって現実に起こったことであり、日常から逸脱した人間であることを強調づけるシーン。