//=time() ?>
徒町小鈴の同級生になりたい。雨に濡れた小鈴へ「仕方ないな小鈴は」とハンカチを差し出す側になりたい。
――思えば小鈴は入学式の頃から危なっかしかったな。その上、徒町如き、なんか。徹頭徹尾、自分のことを下げる言い方をする。それに小鈴は自らの命が危険になるようなチャレンジにも躊躇しない。
徒町小鈴は同級生になりたい。雨に濡れたあの子へ「仕方ないね」とハンカチを差し出す側になりたい。
あの子とは入学式からずっと一緒だった。だから、小鈴にとっては姫芽や銀子よりも先に仲良くなった存在で、その分目をかけられてきた。「小鈴」移動教室の度、あの子は小鈴の先を歩く。
徒町小鈴は同級生になりたい。雨に濡れたあの子へ「仕方ないね」とハンカチを差し出す側になりたい。
小鈴が彼女と初めて出会ったのは入学式だった。礼の際に、頭をぶつけた自分へ絆創膏を貼ってくれた。そこからずっと、彼女は小鈴の面倒を見てくれた。
ある時は、雨に濡れた小鈴を拭ってくれた。
私は図書館へ向かった。
――その日、私は運命だとか神だとか、そういうものをまるっきり信じてしまうことになる。
オカルトなんか笑い飛ばす対象だった、私がだ。
だって、そうだろう。
長野の山奥の学校にいた彼女がここにいたら。
初恋の妖精が、そこにいたら。
神だって、信じたくなるじゃないか。
表紙できたので。次回の僕ラブでかなせつかり三角関係本小説本「愚蓮」を頒布します。現在の想定で本文380P付録込で42万字です
ある日突然襲われ意識不明になった果林さん。果林さんのことが好きな彼方さんが、果林さんと同棲しているせつ菜さん(菜々さん)と一緒に果林さんを襲った犯人を探すお話です