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なので僕も読んで感じたものを、素直に描くことに努めました。エロテックなイメージ、ドロドロした感じ、そして夢のように美しい情景、頭の中からそのまんま取り出そうと。その作業は子供のころ鴨川で遊んだ記憶や、学生時代に描いた物語など、忘れていた自分の記憶を解き放つものでもありました。
鏡花作品はこの時期からその傾向を強くしていくようです。兒島画廊さんから、これは当時美術界で流行り出したキュビズムとの関係で理解できるのではないかと教えていただきましたが、まさに膝を打つ思いです。
現地(金沢鏡花記念館周辺)にも行って、何度も読み返して気づきました。物語をものがたることを拒否してるのではないか?絵でいうとデッサン縛られるのをやめて自由に描く感じ?つまりこれは前衛なのだと思いました。鏡花の心中によぎったものをそのまま掬い取ろうとしている。即興で。技巧を捨てて。
キーワードは、荒廃した武家屋敷、月待ち、旅役者、鏡花幼年の頃の遊び場、榲桲、そして学芸員氏によれば「鏡花の初体験」。それらがパッチワークのように組み合わさって物語を形作っています。が、正直なかなかピンときませんでした。
まあ、鏡花作品は往々にしてよくわからないのですが(^^);。今までの三作は、いわゆる鏡花の亡母憧憬からの幻想譚でしたが、「榲桲」それとは違う。
「榲桲」を僕は知りませんでした。よほどの鏡花好きでも読んだ人は少ないと思います。当時ネットにはなかったし、掲載されている本と言えば岩波の鏡花全集か、泉鏡花記念館発行の文庫のみ。その文庫もすでに在庫ぎれの状態。読もうと思っても載っている本がなかなか手に入らない、そんな作品でした。
だから次は鏡花の知られざる名作を本にして、ご恩に報いようと思いました。そこで泉鏡花記念館の学芸員氏に相談したところ、即座に勧めていただいたのが「榲桲」でした。
「榲桲に目鼻のつく話」、装丁など側の話ばかりしましたが、内容について少々。そもそも「榲桲」をなぜ本にしようとしたのかというと、泉鏡花に何か恩返しで一冊作ろうと思ったからです。
物語のキーマン本間老人の棲む武家屋敷跡の屋敷があった場所、榲桲の木が生えていた場所、神社、暗闇坂、主人公ケンゾウくんの家(ここが泉鏡花記念館の場所)、音羽ちゃんがいる庭の場所、榎の法印の住処(榎の木が生えてます)、など全部特定できます。
嵐に負けず広報(^^) 1週間後に迫りました丸善京都本店でのUKIYO刊行記念トークイベント。「絵本化鳥」のアニメーションを上映します。金沢泉鏡花記念館でしか見られない貴重な映像をぜひ!●丸善京都本店(BAL地下2階)7/13(金)18:30開場、19:00開演 参加費無料 先着30名 予約はtel 075-253-1599