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『殺人鬼に罠をかけろ』(58・J・ドラノワ)はJ・ギャバンの当たり役となったG・シムノン原作「メグレ警部」シリーズの第一作。マザコン犯人J・ドザイーはある程度すぐ予想がつくがその妻A・ジラルドの屈折した愛情ぶりをうまくからめて内容に厚みを加えている。因みに初代メグレはA・ボール。
『ヨーロッパ一九五一年』(52)はR・ロッセリーニとI・バーグマン、コンビの第2作。情熱だけで乗り切った感のある前作と違いお互いじっくりと腰を落ち着けて取り組んだ秀作。ブルジョア夫人が愛息の死をきっかけに「あるがままを受け入れる」人となる。孤児を育てるジュリエッタ・マジーナもいい。
『記憶の代償』(46)はJ・L・マンキーウィッツの監督第二作。沖縄戦で頭に重症を負い記憶を喪失したジョン・ホディアクが、帰還して自分探しをするというニューロティック風ミステリー。ヒッチコックの『白い恐怖』(45)に筋立てが似ているものの、こっちは主役二人が貧素なので大分武が悪い。
『肉の蝋人形』(33・マイケル・カーティス)はチャールズ・ベルデンの戯曲の最初の映画化。WBによる初期二原色テクニカラーは淡い色合い。グレンダ・ファレルのおきゃんな新聞記者を主役に設定しているので53年版に比べるとホラー色は薄いが、フェイ・レイお得意の絶叫悲鳴が聞けるのは嬉しい。
『リディアと四人の恋人』(41・J・デュヴィヴィエ)はリディア(マール・オベロン)が40年ぶりに集まった四人の恋人(ジョセフ・コットン、ジョージ・リーヴス、ハンス・ヤーライ、アラン・マーシャル)を回想するが最愛のアランは彼女を忘れていたという皮肉。『舞踏会の手帖』のリメイク的内容。