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池松壮亮氏は「ダークナイト」でジョーカーを演じたヒース・レジャーを思わせた。そして、28歳でこの世を去ったヒースのように夭逝してほしくないと強く思った。こういう評はいくらでも出ていそうだが、ユニークな傑作。
三人の主人公が内在平面と呼ぶべき無意識に、亀裂を入れる〝斬〟であり、此岸から彼岸へ股裂きに遭う〝、〟だ。英訳は〝Killing〟とそっけない。
この平成くんはともすると、自分で自分を編集できないスクショの積み重ねである。かれは安楽死を望むが、その動機が視力の低下であるというのが本小説のミソだ。松岡正剛氏は「全てが編集である」と明言されているが、古市憲寿氏は「全てがスクリーンショットである」と主張して憚らない。
古市憲寿氏の書いた「平成くん、さようなら」。「ねえ平成くん」という女性の呼び掛けが延々続く面白い小説だった。この小説は目を閉じれば全ては無に還すのだという意識の顕れである。