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尊貴な者としての自負と、己の面が人には恐ろしく見えることを気にして人がいなくなった今でも顔を隠して過ごしている。
夜乃都神社の御狐神は「オ」と「メ」、守護と豊穣の二面性を持つ明神だった。雄神としては「飯綱御前」という名で邪な者を尽く屠る勇ましい鬼神だったというが…今は見る影もない
人外と成り果てているフローラだが、かつては一人の女性だった。不幸な生まれにより苦渋を舐めた幼少期だったが、清く正しく、その献身性を失うことのなかった彼女の名前は「クロリス」と言った。
絶世の歌声を持ち、女神の再来とまで言われていた彼女も、遂には愛する人と結ばれる……はずだった