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「何時もと同じ、赤だけど?」 そう、何の疑問も持っていない無垢な瞳で、青白いはずの月明かりに照らされた子供が言った。
──せっかくなら、青い目のやつが死ねばよかったのに…!
そう言うと、彼女は明るい笑みを咲かせた。
その安心感に思わず笑うと、彼女も挑戦的な笑顔を向けてきた。
人に近い形をした細長い体を持っていて、不格好な姿。人間であれば頭部に値するその場所には深い穴が空いて…その穴の奥で静かに光る白色が、まるで瞳を表しているみたい、とか。 あれが、怪物?私が想像していた、話に聞いていた空想のものよりも、ずっと気持ち悪い。
「悪い、有難う」 「だから乗るなって言っただろう、危ないと。これだから子供は…」
「はい勝訴!!!!」 「カチコミだ!!!!」
「あ!そうだ、ミケーレさん!」 狭い汽車の廊下、2人が振り返る。
前をゆくふたりがふらり、とよろけた。思わず支えるように手を出してしまったが、突然の事には対応が遅れるのか、それとも逃げ出せないほどに疲れているのか、2人とも無理に腕から逃げ出すことはしなかった。
【事前関係】 <メルリダ・アリア> <ミケーレ・レニー>